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廉「そう、やったんや･･俺を助けたの」
『え？』
ボソッと独り言のように喋った君に、わたしは聞き逃さなかった。
俺を、？
たすけたの、、？
それは、一体どういうことか･･
廉「辛いこと思い出させてごめんなさい。･･でも教えてくれてありがとう」
さっきまで不安をずっと残してたのに、
今の廉くんは、何かを強く決心した、そんな顔つきをしていた。
『･･廉くん？』
廉「先生、俺･･やっぱり先生のそばに居らなあかんわ」
私の手を握った彼の手は、キンキンに冷えていたけれど、
どこかで温かみを感じられる、、そんなものだった。
『どういう、こと･･？』
廉「あんな、･･俺」
これが偶然の出会いとは、どうしても思うことが出来なかった。
廉「ほんまやったら、生きてへんねん」
『え？』
衝撃の言葉に、何のことか全然ついていけず･･
廉「俺な、8歳の時に家族でキャンプ行ってん･･けどな、危ない言われてたんに川で遊んでて」
廉くんに握られた手は、少し震えていた。
廉「流されてもうて･･溺れてん、叫んでも誰も助けてくれんくて」
それを聞いてるうちに、何か傷をかぶせていたカサブタのようなものが、とれた気がした。
廉「ここで死ぬんやって諦めかけた時、高校生の兄ちゃんが助けに来てくれて」
廉くんが話す話に聞き覚えのあるわたし･･
つまりは、そういう事だった。
･･優太、なんでこんなことしたの、？
なんでこんなに私を悩ませるの？
廉「その兄ちゃんな、俺を抱っこした時、もう大丈夫だからって･･そう言ってくれて、俺、めっちゃ安心してん」
確信がもてた時には、もう涙が止まらなかった。
廉「なのにな、助かったの俺だけやねん･･その兄ちゃん、俺を助けて死んでんッ」
正直、助けに行かなきゃよかったのに･･
その子を気にしなければ優太は生きてたのに。
そう思うこともあった。
だけど･･今更になってやっと気づき始める。
廉「多分･･いや、俺を助けてくれた兄ちゃんって、A先生の彼氏やったんちゃう？」
10年前、優太が命を使って助けた、まだ小さかった男の子･･それは
紛れもなく、今わたしの目の前にいる
廉くんだった。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました！もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます！ (2022年9月22日 0時) (
レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました､､､苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました！これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月21日 23時
