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なんとかその場を切り抜けて、わたしはカフェから出てきた。
キャンプは来月にやるらしい。
『はぁ、キャンプか・・』
正直、乗り気ではない。
重い足取りで一人、路地を歩いていると・・
岸「おい!溜め息つくと幸せ逃げんぞ」
急に優太が現れた。
『・・もう逃げてるからお気になさらず』
優太を相手にしてると余計悩む。
余計、自分の答えが分からなくなる。
岸「せっかく誘ってくれたんだから楽しみにしろよ!な?」
そんな無理くりなやり方があるかね・・
−−−−ピコンッ
それと同時に、LINEの通知音がひとつ響いた。
彼の隣を歩きながら、わたしはそれに目を向ける。
『・・廉くんからだ』
岸「なんて?」
"無理やったら断ってくれて大丈夫ですからね!"
本当に廉くんっていい子。
岸「あぁあ!なに年下に気遣わせてんだよ!」
『・・うるさいな』
岸「ちょっと貸せっ!」
『え、ちょ・・あぁ!』
わたしのスマホを奪い取った優太は何やら文字を打っている。
『返してっ!』
自分の手に戻ってきた頃には、文字は既に送信されてて・・
『・・勝手なことしないでよ』
優太が送った文字は、
"そんな事ないよ!楽しみにしてる(^ ^)"
わたしの今の気持ちとは全く正反対のものだった。
顔文字なんて普段送らないのに・・余計なことを
『ねぇ、知ってるでしょ?』
岸「なにを?」
先にずんずん進む優太を追いかけるように、わたしはその背中に言葉をぶつける。
『キャンプなんてもう二度と行きたくないのっ!』
岸「はいはいっ」
なんでそんな軽く受け流しちゃうわけ、?
『ほんと、何のために私の前に現れたの?』
岸「・・なんとなく」
わたしの中でずっと耐えてた何かは、もうボロボロに壊れていた。
そしてそれは何かをキッカケに崩れ始めた。
『迷惑なんだけど』
岸「え?」
『死んだくせにッ今更目の前に現れてもただ迷惑なのッッなんも嬉しくなんかないのッ!』
周りの目なんて気にしていられない
わたしは優太に悲しみをぶつけ続けた。
そして終いには、
『もう・・私の前に現れないでッ』
思う事とは正反対の言葉を言ってしまった。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時