▽１３ ページ13
･
「ぐぅぅ〜ううううっ！！」
部屋中に響いたお腹の音。
自分のではないのは確かだ。
チラッと優太を見ると･･
岸「バレた？」
てへぺろって舌をちょっと横から出してる。
岸「まじ腹減ったぁ〜！！」
『お腹すいてんの？』
岸「うん、なんかちょうだい？」
今日はカップラーメンでも食べてさっさと寝ようと思ってたのに･･
仕方なくわたしは冷蔵庫にあるものでチャーハンを作った。
岸「うーっわ！！美味そう！！！」
ほんと、いちいち喜んでくれるところとか、高校生のまま。
もしも、優太が生きてて今も一緒にいたら、もっと落ち着きのある大人な人になれてたのかな、？
自問自答を繰り返す。
いただきます、とちゃんと言うあたり･･
少年のように口の中にかきこんでる。
きっと、生きてたとしても、君は君のまま。
なんの成長もしないまま、優しさだけを残して歳をとるんだろうな。
幽霊の彼を見て、そう思った。
岸「なにボケーッとしてんだよ！Aのも食っちまうぞ？」
『え？あぁ、うん･･いただきます』
誰かと向かい合ってご飯を食べるなんて、久しぶりだ。
夕ご飯を誰かとお話しながら食べるなんて、いつぶりだろう、？
今の私には、何もかもが新鮮で･･
彼の存在をどうにかして確かめたかった。
『幽霊ってお腹空くんだね』
岸「まぁ、魂はあっからね」
この世に存在する食器･･
スプーンとか普通に持ってるところを見て考える。
幽霊って概念が邪魔をしてなかなか言葉にできなかったけど･･
もしかして、彼に触れられるんじゃないかって。
自然と伸びた私の手。
それは優太の頬に向かっていく。
わたしが手を伸ばしたことによって不思議に思ったのかスプーンの手を止めて、これまたキョトン顔の優太。
あと少し、触れる･･って思ったのに
･････ッ！！
私の手は頬に触れることなく、空振りをした。
彼には、触れられなかった。
それだけで寂しさは増す。
岸「･･わりぃ、傷付けちゃった？」
わたしが見てる優太は優太じゃない。
魂の幻覚･･･
※評価100突破いたしました！！
ありがとうございます(*^_^*)
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました！もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます！ (2022年9月22日 0時) (
レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました､､､苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました！これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月21日 23時
