幽霊のキミ ~Yuta.Kishi~

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生きてたら、今頃何してたんだろう･･







なんの仕事してたんだろうか。








彼女はいたのかな？








結婚しただろうか？








想像は自由だ。








･･だけど、とても儚い。








それを知ったうえで、わたしは今でもこのプリクラを持ち続けている。








もう一度、逢いたい･･何度そう思ったことか。









替えのチョークを教室に足そうと、わたしは小さな倉庫にやってきた。








−−−−ゲホッゲホッッ








『埃くさっ』








どんだけ放置されてたんだろう･･








棚の上も、物も全部うっすらと埃をかぶっていた。









チョークがなかなか見つからず、棚の上の方に目をやる。








『･･ん？卒アル？』








それが目に入って気になってしまった。








足元にあった台に乗り、わたしはそれを手に取る。









今の子達の卒アルのデザインはこれじゃない。









このデザインはわたし達の代のもの。








つまり、昔の卒業生のものってこと。








埃を手で軽くはらい、１ページ目を開いた。









『･･え、うそ』








こんな偶然あるだろうか









結構ながいこと続くこの古い学校。








私が手に取った卒アルは、私達の年代のものだった。








確率的にめちゃくちゃだ。








ページをめくっていけば、懐かしい写真がたくさん。







見覚えのある顔もあった。








『･･なに、これ(笑)』









それは体育祭の時の写真。







中央にいるのはハチマキを巻いた彼で･･








ボールを持った彼に集まるように他の男子が写っていた。








こんな時もあったっけ･･








たしかバスケの試合に出たんだよね？








バスケなんて、体育の授業でしかしたことない癖に、








人数足りないって理由で選手に選ばれちゃって。









適当に遠くから投げたボールがバスケゴールに綺麗に入っていって･･








奇跡的に逆転勝利したんだっけ。









あの時のあいつの喜びようつったら、マジ男子高校生の象徴。








ほんとガキっぽくて･･









ほんと、好きだった。









そいつの無邪気に笑ってる写真を見るたび、胸がグッと苦しくなる。









もうかれこれ10年･･一向に慣れない。

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