幽霊のキミ ~Yuta.Kishi~

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生徒が先生にそういう事聞くのってただのちょっかいに過ぎないもんね、








今までにいろんな子達を見てきたけど、こういう事は普通に何回かあったから








さほど驚くこともない。








だけど、廉くんは








結構、先まで聞いてきた。









廉「じゃぁ、その人のことまだ好きなんですか？」








『んん、お互いに嫌になって離れたわけじゃないから･･』









好きじゃない、と嘘をつくのは嫌で、でも好き、と答えるには切なすぎて･･








そんな濁った曖昧な返事しかできなかった。









廉「あっ！A先生ってこの学校の卒業生なんですよね？」







『え？あ、まぁ』









10年もなると、そりゃ、知ってる先生はみんな退職してくし、








学校だってボロかったから、所々で改装されてたりする。








昔の欠片が残ってるとしたら、ほんのちょっとのことだけ･･･









廉「じゃぁここの卒業生ですか？その人」









そんなピンポイントに言われると、本当に言葉をなくす。








数学の勉強なんて置き去り･･








彼は彼なりのスピードでガンガン聞いてくる。









『んん、それも微妙なところかな』







廉「なんやそれっ、どういう事ですか？」









確かにね、君たちの先輩だよ







でもね？







･･彼は未だに高校生なの。








私と同い年なのに、同級生だったのに、








･･変だよね








今はあなた達より年上かもしれない彼だけど、







あと一年も経てば、あなた達の方が先輩になるんだよ？








それを素直に言ってみたらって･･








自分の欲が消えない。








廉くんにわかるかな、この意味が。








『廉くんはさ』







廉「はい？」







『好きな子、いる？』






廉「････」









黙らせてしまった。







教師がする質問じゃない。







だけど、聞く。








ちょっとでも希望が欲しかったから。









『もしもだよ？大好きな人がいて、いつもそばに居るのに、それが続かなくなったら･･どうする？』








廉「俺だったら、嫌と言われてもその人の隣にいたいです」








彼の出した答えは終あまりにも純粋で、一途で･･








この世の残酷さを知らない若い少年の言葉だった。









『それが出来ないから独身なんだよ？』









私に新しい彼氏なんて、いらないよ

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