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岸「俺がお前のそばにずっといると、廉くんの寿命が縮まんだよ」
『・・ッそ、んなッッ』
やっぱり世の中というのは、そう都合よくできていない。
わたしは神様に叱られている気分だった。
岸「なぁA、分かって、?」
ゆっくりと私から離れた彼は、確かにその存在を私に教えてくれて
『ゆッ・・た、ッ』
今まで、何度君を呼んでも、それは届くことなく消えていったのに・・・
岸「うん、よしよし」
確かな感覚で私の頭を撫でてくれた。
『怖い・・怖いのッ』
岸「大丈夫だよ!10年間俺がいなくても頑張ってきたじゃん!!」
『そ、うだけどッ・・でもッ』
優太に何度も訴えかけた。
それでどうこう変わるわけじゃないのに、。
岸「ちゃんと見てっからッ!Aのことも、廉くんのこともッ・・これからもずっと、Aが幸せになれるまで、いや、なってもずっと見てっからッ」
やめてよ、なんでよ・・ッ
私が泣くといつも笑って励ましてくれてた君がなんで、なんで泣いてるの、?
『優太のバカッ!なんでここで泣くのよッ・・!!最後の最後までッ優太らしくいてよッ』
私がボロボロと涙を流せば
岸「お前の泣き顔見てるとッ、調子狂うんだよッ・・ッ!!」
君も泣きながら、その綺麗な指でわたしの涙を拭ってくれた。
無理だ、無理なんだよ。
君のいない世界なんて・・ッ
でも、でも・・優太の分も、廉くんと共に生きると決めた。
幸せになるって約束した。
だからわたしは自分に嫌われてでも、正しいと思う道を探して前に進む。
岸「俺のことッ好きッ、?」
『何言ってるのッ、!さっきも言ったでしょッ、?当たり前じゃんッ』
岸「ッ・・う、んッ」
泣きながらそう頷く君も、やっぱり離れたくはないんだよね、?
だけど、気持ちとは真逆に、優太の体はどんどん薄くなっていく。
岸「A・・ッ」
『ん、?ッ』
私の顔を両手で優しく包み込む君は、もうぐちゃぐちゃなくらいに泣いていた。
岸「ッ・・今まで、ありがとうッ・・」
言わなきゃいけないのは、感謝しなきゃなのは全部私の方なのにッ、。
優太の唇がわたしの唇にそっと触れた時、
君の感覚はゆっくりと、
儚く消えていった。
『優太ッ、・・優太ぁッッ!!』
私はそこで、泣くことしか出来なかった。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時