9.帰省許可が必要です ページ9
◇you side
『ふぅ、……』
高専の共有スペースにて、自販機でお茶を買おうと。
ボタンを押す前に後ろから長い手が伸びてきた。
__________ピッ、ガコンっ。
そして落ちてきたのは、いちごミルクのパック。
『は?』
悟「もーらいっ」
早速ストローを挿して飲み始めた悟を、見上げるようにしてキッと睨む。
つか、朝からよくこんな甘ったるいもの飲めるなコイツ……
『ちょっとッ!それ私のお金ッ返せッ!!』
悟「んあ?こんぐらい奢れよケチくせぇなッ」
私の頭上に顎を乗せて上手いように使われる。
コイツの馬鹿でかい身長も今じゃとても憎たらしい。
『もう暑苦しいッ離れろ馬鹿!!人の頭に顎乗せんな!!』
悟「いいだろお前と俺の仲じゃーん」
『辞めろ誤解を生む。そんでイチイチ撮るなッ!!』
毎回携帯をこちらに向けるもんだからパシンッと振り払う。
そんなやり取りをしていると遠くから夜蛾先生らしきシルエットを確認する。
夜「A」
『ん?はい』
そこに突如現れた夜蛾先生。
未だ頭上に乗ったままの悟の顎を、飛んだ勢いで払い除けた。
悟「お前舌噛んだらどうすんだよッ」
『勝手にのせてきたそっちが悪い』
夜「お前ら、夫婦喧嘩は家だけにしろ」
『まだ夫婦じゃないですッ』
コイツが婚約者ってだけで何かと弄られるようになった。ほんと、イチイチ疲れるわ。
『それで要件は何ですか?』
任務を殆ど任されない私に、個別の用とはとても珍しかった。
夜「上から許可が降りた。1時間だけなら家に帰っていいそうだ。勿論同伴付きだが、どうする?今から行くか?」
『勿論。お願いします』
呪失師としての行動を見張る為なのか何なのか知らないが、
私が実家に帰るのにも上層部からの許可がいるとか…ほんと私は鳥籠の中って感じだ。
そんで軽い支度を済ませて先生の待つ車に乗り込むと、何故か既に悟が後部座席に座っていた。
悟「同伴者って俺かよッ」
窓に肘をついて気怠そうにボヤく。
『先生他にも居たでしょ私コイツ嫌だ!一緒に行くなら傑がいい』
悟「は?何で傑なんだよッ!!」
『傑は優しいし、お前みたいにイチイチ突っかかってこねぇだろッ直ぐに分かれよ馬鹿ッ!!』
イチイチ仲裁するのも面倒に思ったのか、先生は黙ったまま運転していた。
夜「(喧嘩するほど仲がいい、だな)」
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muhe(プロフ) - いこいさん» ありがとうございます!モチベに繋がります頑張ります! (6月19日 20時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
いこい - めっちゃ面白くて好きです!(普通のことしか言えなくてごめんなさい…)毎回続きが凄く楽しみになっています。これからも応援しています!! (6月10日 21時) (レス) @page40 id: 9fec290fe4 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - ぽてさん» 一気見して頂けて嬉しいです。ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (6月4日 18時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
ぽて(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しました!無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (6月3日 15時) (レス) id: e37e791e87 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - しょーゆさん» 初めまして。ありがとうございます!まだまだ続くので引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります! (6月1日 0時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年5月27日 21時