【呪術廻戦】恋愛結婚と言い張る最強とそれを全否定するチート女の話【五条悟】

41.遺言通り甘えてね ページ41

◇you side






墓参りから帰宅したのは夕暮れ時で、






『あれ、皆は？』

悟「今日は部屋から出てこないよー」







悟が皆に変な事吹き込んだのか、共有スペースはシンとしている…てかマジで誰も部屋から出てこない。







『……何言ったんだよッ』

悟「今日はAとイチャラブするから邪魔しないでねーって言っただけだよ？」

『何が"言っただけ"だよッ！！めちゃくちゃ余計な事言ってんじゃねーかッ！！』









久しぶりの日本。懐かしい呪術高専。

今夜は後輩たちと駄弁ろうと思ってたのに、なんで悟(この男)と2人っきりにならないといけねぇのッ。







悟「ねぇAー」

『なに』

悟「そろそろ仕事辞めて僕の専業主婦になるって選択肢はないのー？」

『ない』

悟「即答やめてね、普通に悲しいから」








自販機で飲み物を選ぶ私の隣で、前屈みになっては懲りずにちょっかい出し。








『お前とは時々会うくらいで良いんだよ』

悟「ええー？あ、海外どうだったー？てかお土産ないのー？」

『もう邪魔ッ！』








皆が居ないならここに居る必要はない。

自室で一人ゆったりしたいのに、私の肩に顎を乗せてはダル絡みの嵐。







『お前"には"買ってない』

悟「じゃぁ後で伊地知から奪おーっと！」

『おい辞めろよ苦労人は労れッ！！』

悟「僕も苦労してるんだけどなぁーAは奥さんなのに全然労わってくんない」







むーっと唇を尖らせては分かりやすく拗ねてくる。

だから可愛くねぇぞ、それ。







『……てかさ、』

悟「ん？」

『お爺ちゃんの留守電』

悟「あっやっと聞いた？」

『言えよッ』







私が気付いてない事くらい察せていただろうに、

わざわざ教えるって事はしないのが、悟るらしい。







悟「爺さんの声聞けて嬉しかった？ワンワン泣いた？」

『あれで泣くか阿呆』

悟「ちぇー」







コイツは私が弱れないのを知っている。





事実、お爺ちゃんが亡くなって悲しかったけど、涙は出なかった。






というか、最後に泣いたのいつだっけ、レベルだ。








悟「爺さんの遺言通り僕に甘えてね♡」

『誰がするかッんなもん！！』








ぶっちゃけると、甘えた事がないから甘えたくても甘えられないのが本心。






言わないけどね。

42.一緒に寝ちゃおっか→←40.旦那と舅

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す