39.留守番電話 ページ39
◇you side
お花を挿してお線香をつけた後、暫くお爺ちゃんとお話して、お墓を後にした。
『また来るね、』
帰宅中、ポケットの中でスマホが震えるから手に取ると、それは悟からのようで。
見なくても何となく分かってはいたけど。
__________ブチッ。
思いっきり着信拒否してやった。
『マジで懲りないやつ…』
何かある事に電話してくるから通知数が偉いことになっている。
面倒だからいつもそのままにしていたが、さすがに整理しとかないと、他の人から来た時気付けないわ……
うわ、軽く300件は超えてるぞ。
墓地に背を向けながら悟からの鬼電通知を淡々と消していく。
無心でひたすら消していたのだが、
『ん?これ...お爺ちゃんが亡くなった日だ』
お爺ちゃんが亡くなる数時間前に、留守電メッセージが一通だけ入っていた。
普段なら無視して消すところだけど、
悟が留守電なんて珍しいし、日にちが日にちなだけに気になって、スマホを耳に当てる。
悟「_________ほら爺さん、Aになんかないの?」
爺「……ご飯はちゃんと食べてるかい?」
悟「そんなんでいいのかよッ」
聞こえてきたのは悟とお爺ちゃんの声…病室だろうか。
もっと切羽詰まって緊迫してるのかと思えば、全然違った空気。
爺「A。お前は強すぎる。もっと弱くなりなさい。泣いたっていいんだよ。たまには旦那を頼りなさい」
悟「おっ!じいさんいいこと言う〜」
爺「はっはっは〜」
笑ってる……
私の知っている優しいお爺ちゃんがそこにいた。
この数時間後に亡くなったとは思えないくらい元気そうで、穏やか。
もっとしんどくて、苦しみながら寂しく一人で亡くなったと思ってたのに。
『悟、お爺ちゃんのとこ居てくれてたんだ…』
言ってくれれば良いのに、そういうのは黙ってんのよな、アイツ……そういうとこマジでずるい。
悟「おかえりのチューは拒んじゃダメ。
あとハグする時も嫌な顔しないって言ってやって!」
爺「毎回そんなことしてるのかい?けしからんっ!離婚しろ」
悟「なんだよ今更、厳格じじい。夫婦なんだからそんぐらいすんだろ?」
なんか急に言い合い始めた。
嫁と姑...ではないか。何を間違えても完全に。
私はどういう気持ちでこれを聞けばいいんだ?
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muhe(プロフ) - いこいさん» ありがとうございます!モチベに繋がります頑張ります! (6月19日 20時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
いこい - めっちゃ面白くて好きです!(普通のことしか言えなくてごめんなさい…)毎回続きが凄く楽しみになっています。これからも応援しています!! (6月10日 21時) (レス) @page40 id: 9fec290fe4 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - ぽてさん» 一気見して頂けて嬉しいです。ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (6月4日 18時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
ぽて(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しました!無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (6月3日 15時) (レス) id: e37e791e87 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - しょーゆさん» 初めまして。ありがとうございます!まだまだ続くので引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります! (6月1日 0時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年5月27日 21時