38.お墓参りと後悔 ページ38
◇you side
お爺ちゃんはかなり秀才な呪失師だった。
私たち一族の呪力術式は死んでも尚、魂と共に宿る恐れがあり、お爺ちゃんの御骨はそれが理由で封印されると。
呪術界上層部が預かる手筈になっていた。
でも何故かお骨は戻ってきた。
詳しい事は聞けてないが、お爺ちゃんの御骨は変な呪いを掛けられて居ないようで、無傷だった。
ここまでしてくれるのは身内じゃ悟しか居ない...マジで信じ難いけど。
意外とそういう事はしっかりやるタイプなのは知っている。
伊達に10年妻してないし...分かっちゃうんだよな。そういうの。
日本は悪天候が続き、墓地は枯葉が散乱、土汚れも酷い中、"一神ノ墓"と書かれた墓だけ妙に綺麗になっている。
線香も置いてある……割と新しい。最近誰か来たのか?
住職さんが目にかかり、私以外に誰か来たのかと尋ねる。
住「白髪にサングラスを掛けた男性が良くこられますよ」
やっぱり……そんなの悟しか居ねぇじゃん。
住「一昨日も来られましたね。その時はもう1人男性がご一緒で、その方が掃除されてましたよ」
『もしかしてその人、黒スーツに眼鏡してました?』
住「ええ、見るからに部下のようでしたが」
絶対伊地知じゃん。
なんだよ、せっかく好感度上がりつつあったのに、やっぱり一気に落ちたわ。
マジで御免な伊地知、後で労わってやんねぇと。
墓は金があっても私じゃ上が許可してくれなかった。
よく仕事で海を渡るし、海洋散骨も考えたけど、
帰国したらお爺ちゃんは既に立派なお墓に入っていた。
『良かったね、お爺ちゃん』
きっとこの墓も悟が用意してくれたんだろうな。
様態が危ない時も私はフライト中で、機内だったから電話もできず…
着陸後慌ててスマホを開いたがお爺ちゃんは既に亡くなった後だった。
最期を看取ってあげられなかった事がずっと気残りで、悟に聞こうとも思ったけど、
ちょうどその頃出張続きだったから、きっとアイツも同じ状況だったに違いない。
『お爺ちゃん...私が会い行くの間に合わなくて怒ってない?死ぬ時苦しかった?独りで...寂しくなかった?』
私が孤独に感じなかったのはお爺ちゃんが居たからだ。
呪失師という厄介な家系にも関わらず物腰柔らかく温厚だったお爺ちゃんのお陰なのだ。
『いっぱい喋りたかった...もっと沢山会っとけば良かった、御免ね、』
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muhe(プロフ) - いこいさん» ありがとうございます!モチベに繋がります頑張ります! (6月19日 20時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
いこい - めっちゃ面白くて好きです!(普通のことしか言えなくてごめんなさい…)毎回続きが凄く楽しみになっています。これからも応援しています!! (6月10日 21時) (レス) @page40 id: 9fec290fe4 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - ぽてさん» 一気見して頂けて嬉しいです。ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (6月4日 18時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
ぽて(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しました!無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (6月3日 15時) (レス) id: e37e791e87 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - しょーゆさん» 初めまして。ありがとうございます!まだまだ続くので引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります! (6月1日 0時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年5月27日 21時