【呪術廻戦】恋愛結婚と言い張る最強とそれを全否定するチート女の話【五条悟】

3.本当の事は言わない ページ3

◇satoru side





朝の出来事から既に数時間が経過。

だがAは相変わらず愚痴をネチネチ零していた。






『なんで寄りによって悟(あいつ)なんだよッ、嫌でも毎日顔合わせてんのにッ』

硝「Aどんまーい」

『他人事だと思って…』







人数の少ないこの教室じゃ、何喋ってるかなんて聞く耳持たなくてもダダ漏れ状態。

イチイチ俺の耳にも入るからイライラしていた。






悟「そんなに俺じゃ嫌かよ……ﾁｯ」







アイツらに聞こえない声量でボソリと呟くが傑には拾われていたみたいだ。







傑「悟、女の子には優しくしないと駄目だよ？婚約相手なら尚更にねっ」

悟「あ？アイツは完全に女の枠からはみ出てんだろ」

傑「またそういう事をいう……」






やれやれ、と呆れた様子で寝そべる俺を見下ろしてくる。







悟「……何だよッ」

傑「政略結婚とはまた厄介だね」






そういう家系に生まれて来たんだから、いずれは話が来るのも分かってたし、そう乗り気じゃなかったけど……







悟「放っとけ」







相手がAだと話は別だ。







傑「素直に口説き落とせないのは悟の落ち度だよ。後で拗れて後悔しても私は知らないからね」

悟「あ？うるせぇなッ！こっちにも色々あんだよッ！！」

傑「否定しないんだねっ」







隣で好き勝手言ってる傑はもう相手にしても無駄だろ。

硝子と駄弁っていたAを気付かれないように横目で確認する。







『…まぁ、貰い手が悟(あいつ)だからか、お爺ちゃんがめちゃくちゃ安心してた…それだけマシかな』

硝「Aってお爺ちゃん子なの？」

『あれ、言ったことなかったっけ？ウチお母さんは私生んですぐ死 んだし、お父さんは処 刑されてるから』

硝「平然とした顔ですげぇ事暴露したなお前」

『じゃぁどういう顔で言えばいいのっ』






◇






「あの子は自分のせいで親が死 んだと思っています。

母親は生まれてすぐに、父親は監 禁されていたあの子を庇おうとお偉い方に刃向かって処刑されました。

あの子は周りから酷い扱いをされていたのに真っ直ぐ育ってくれたんです。本当に強い子なんです。

普通の子だったらどれだけ幸せだったか。

貴方にしか頼めないのですッ

どうかッあの子を自由にしてあげてくださいッお願いしますッ」








惚れてる女の肉親に頭下げられちゃ断れねぇだろ。

ま、本当の事なんて言う気は無ぇけど。

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