16.好きより、楽な存在 ページ16
◇you side
__________『ハァッハァッ……ハァッハァッ』
こんな激痛に耐えるくらいなら、一層のこと意識が飛んだ方が絶対楽だったと思う。
神経まで狂いそう……血の気がなくなり、床に尻をついて居るにも関わらずフラフラだった。
悟「おい帰んぞ」
そのまま背中を向けられたから乗れ、という事だろう。
『いいッ』
悟「歩けねぇだろッ意地張んなッ!」
『無理でも歩くッ』
悟「ここにお前放置して後で怒られんの俺なんだからなッ?いいから黙って乗れよ、それとも姫抱きのがいいか?」
悟は私の腕を自分の肩に回して、何食わぬ顔で腰に触れてきた。
『いやいいッいいッ、!!背中でいいッ辞めろ触んなッ!!』
ジタバタ暴れるとサングラスをズラしてこちらを見てくる。
悟「お前こんだけの怪我しといてよくそんな動けんな、やっぱり特級なんじゃね?」
階級を持つことを上で止められているが、強さの物差しなど要らないレベルに、私は別枠なのだろう。
でも、褒められた気がしない。
生まれてこの方、能力にいい思いをした事は一度もないからだ。
それに、私が心根から求めるのは階級じゃない。
強くたって、護れなきゃ意味が無い……そう思うからだ。
悟の背中に体を預けると、一気に視界が上がる。
『お前いつもこんな高い景色見てんのか?』
悟「だったら何だよ」
『いや、ただの興味本位』
角度や見方を変えるだけで、こんなにも別物に見えてしまう。
それは物理的性質に限らずだろう。
悟「お前一応は俺の女だろ」
『一応ってなんだよ』
悟「チクってやろうか?」
エリート呪術師として名の有名な五条家だ。
チクればあの男ももう終わりだろうな。
『いや…めんどいからいい』
悟「黙ってんのかよ」
『揉み消されて終わんだろ』
ああいうのは今回が初めてな訳ではない。
今までも似た経験はしてきた……
足を壊されたのは今回が初だが。
『私はお前と結婚するよ、それが今1番楽な気がしてる。だから早く18なんぞッ!』
悟「急いでも歳とんねぇぞー」
間延びした返しにさっきまでの緊迫感がするりと溶け落ちた。
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muhe(プロフ) - いこいさん» ありがとうございます!モチベに繋がります頑張ります! (6月19日 20時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
いこい - めっちゃ面白くて好きです!(普通のことしか言えなくてごめんなさい…)毎回続きが凄く楽しみになっています。これからも応援しています!! (6月10日 21時) (レス) @page40 id: 9fec290fe4 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - ぽてさん» 一気見して頂けて嬉しいです。ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (6月4日 18時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
ぽて(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しました!無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (6月3日 15時) (レス) id: e37e791e87 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - しょーゆさん» 初めまして。ありがとうございます!まだまだ続くので引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります! (6月1日 0時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年5月27日 21時