1.その女は呪失師末裔 ページ1
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呪術界にはそれは昔、物凄く貴重な呪術師が存在した。
呪いを抹消する事が出来る術式をもつ"呪失師"だ。
当時は御三家とは並外れた地に位置し、別格扱いされていたという。
それほど高等な術式だったのだ。
攻撃云々を無効化にできる呪術師も居るが、その場合は一定期間に限る。
例えるのならブラックホールとでも言うのだろうか。
だが、シンプル且つ混じり気のない術式は、呪力を上手く分散し、逃がす事が難しい。
その力は終わりがないという事だった。
珍重されていた呪失師も能力の差によって、やがて酷い扱いを受けるようになる。
ここ数年、呪失師の家系では、そう力の強い子供は生まれていなかった。
呪術界のお偉い方も騒ぐことが無かったそうだ。
だが前触れもなく、
コロッと生まれてきてしまった。
彼女の名前は、
呪霊だけに留まらず、呪力、術式はもちろん。
物質や気(感情や記憶)さえも取り込む莫大で複雑な呪力を持って生まれてきたのだ。
この世界そのものを"無"にする程の呪力量。
それを持つにも関わらず、天与呪縛を受けなかった。
その異常状態に器が持たなかったのか、自分の意思に限らず生まれた時から無意識に術式が発動していたらしい。
誕生したその時から神童と言われ、善にも悪にも簡単に転げる能力に恐れた大人達は、生まれて直ぐに彼女を呪縛。
10歳まで檻に閉じ込め不自由な生活を送らせた。
今もその呪縛は解かれておらず、自分の意思で最大の力を発揮する事が出来ないでいるらしい。
一見、最善の防衛策にも思えるが彼女に利得は一切無い。
呪縛により体内へ取り込む容量を制限されているからだ。
にも関わらず呪力は生まれ持ったままな為、体への負荷が大きい。
左手の平を使う術式故に、彼女の手は皮膚と神経が死んでいて紫黒く変色していた。
そんな彼女は15になると、監視目的で強制的に呪術専門高等学校に入学する。
その存在は呪術界で知らない者はまずいない。
血統欲しさに求婚を申し込む呪術師も多かったとか。
だがそれも、ある男によって全てが帳消し。
何故か同級生の最強男と結婚する事となる。
この話は、そんな彼女の日々を切り取った物語である。
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muhe(プロフ) - いこいさん» ありがとうございます!モチベに繋がります頑張ります! (6月19日 20時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
いこい - めっちゃ面白くて好きです!(普通のことしか言えなくてごめんなさい…)毎回続きが凄く楽しみになっています。これからも応援しています!! (6月10日 21時) (レス) @page40 id: 9fec290fe4 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - ぽてさん» 一気見して頂けて嬉しいです。ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (6月4日 18時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
ぽて(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しました!無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (6月3日 15時) (レス) id: e37e791e87 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - しょーゆさん» 初めまして。ありがとうございます!まだまだ続くので引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります! (6月1日 0時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年5月27日 21時