▽４９ ページ49
･
『うん、今日は何もないし、今日こそ一緒に帰ろ！』
声には出さず、ニコッと目を細めて笑った平野くん。
それ見ただけで嬉しそうなのが伝わってくる。
「平野ー！ちょい部室来て手伝ってくんね？」
するとバドミントン部のキャプテンに声を掛けられた平野くん。
紫「あ、はい！」
先行っててください！、ってちゃんと一言くれた。
ほんと礼儀正しい。
小さく手を振ってあげた。
彼は小走りしながら部室の方へと離れていく。
廉「･･結局いつもと変わらんやん」
私の隣でブツブツ言いながら歩いてくるそいつ。
家でずっと一緒なのに、なんで学校でも一緒にいなきゃなんないんだか･･
『しょうがないでしょ？』
こうやって制服着て廉と並ぶと、なんか女子の視線を多く浴びる。
『廉ってほんとモテんだね』
廉「さあ？」
なにその反応。
遠くから女子の塊に「廉くーん！」って叫ばれてて
そっちを振り向いただけなのに今度は「キャーッ！！」って黄色い悲鳴。
『アイドルかよ』
廉「そういうもんやって」
いやいや、その納得の仕方、ちょっとおかしいから。
もう少し歩いてると今度は違う女の子に前を塞がれた。
え、なに？
「あの、廉くんのお姉さんですよね？」
『へ？あ、はい』
なんか見たこともない見ず知らずの一年生にちょっとビックリして敬語になってしまった。
廉「何びびってんねん」
『いや、ビビってるわけじゃ･･』
「わたし廉くんと同じクラスなんですけど、A先輩に憧れてて･･」
なんか疑問に思っちゃう。
この子、見た感じからして部活やってなさそう･･
憧れとか言って私の何に憧れたんだろう？
馬鹿みたいに真剣に考える。
弓道部の後輩で私に憧れて入ったって子は何人かいるけど･･
−−−グイッ
『うぇ？！』
廉に荒く腕を掴まれてその場を無言で退場。
ずんずん進んでくから必死に問う。
『ねぇ、あれでいいの？完全無視してきちゃったけど』
廉「ただの媚びやから気にせんでええねん」
この時の廉は、なんか不機嫌だった。
どうしたの？なんか最近、おかしくない？
.......the next
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2057人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
平野かな(プロフ) - 岸くんと付き合うのもみたいです。 (2018年8月17日 6時) (
レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - しかし、この作品に登場する方たちは知らないというね...笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - からだ中の水分全部出すかのように涙流してました。いろんなすれ違いがあってもどかしい、主人公ちゃんの性格もいい影響をもたらしていて、良い構成の作品だと感じました笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
Y__1001kimiko(プロフ) - 後輩平野くんの続き待ってます (2018年5月22日 8時) (レス) id: c74ba2042b (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 毎日の楽しみが一つ終わってしまって残念...！面白いストーリーでした(*´-`)続編もお気に入りして読みます！！ (2018年5月22日 7時) (レス) id: 3f9dc00853 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月6日 11時
