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『ちょっと寂しいんだ』
このポッカリと空いてしまった穴はそのうち消えてなくなるだろう、そう思っていた。
だけど、現状維持なだけ。
その穴はなかなか小さくならない。
なら誰かに埋めてほしいとも思うんだけど、なかなか埋まるには時間がかかるようだった。
紫「それってやっぱり岸先輩が転校したからですか？」
『･･うん、考えてみて？ずっと好きだったんだよ？なのに、あんなにも急に、･･呆気ないでしょ？』
本当はこんなこと、聞きたくないだろうに･･
平野くんは真剣に聞いてくれている。
『こっちは全然整理出来てないのに、そのうえ急にキスなんかされたら･･ほんと自分勝手で困るよね』
本当なら付き合えた。
自分の欲しいものは手の届くところまで近づいていたはずなのに･･
なのにわたしはそれを選ばなかった、望まなかったんだ。
『遠距離なんて、辛いだけだと思ったから』
片思いと同じくらい辛いのは、好きな人と簡単に会えない物理的な距離だと思う。
愛し合っていて、
信じあっていて･･
そんな関係なら、どんなに遠いところにいたとしても、二人は上手くやっていける。
でも、
『すぐに会えないのは、無理なの･･嫌なんだ、わたしが』
小さい時から、親はずっと共働き。
家族旅行でさえ、行ったことがなくて、
親が家に帰ってくる頻度は、私と廉が大人になってくにつれ、少なくなっていった。
よくお父さんから電話はくるし、お母さんからもLINEはくる。
だけど、大好きな家族と一緒にいれないのはやっぱり埋まらない寂しさがあった。
『わたしの弱点、廉には内緒だからね？』
廉が家に帰ってくるのが遅いと、本当に心細くなる。
また、明日も遅くなるのかな？
これ、毎日続くのかな？って･･･
紫「意外です。A先輩、しっかりしてるから」
『だから余計寂しく感じちゃうんだよ？わたしに甘えられる人なんて誰もいないもん』
岸でさえ、この気持ちを伝えられなかった。
なぜなら、岸は私みたいな立場にいても寂しさを感じない強さがあったから。
だから、北海道なんて遠いところに簡単に引っ越してった。
『ずっと寂しいとさ？頑張れないんだよね、わたし』
こんなこと初めて誰かに言ったかも
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平野かな(プロフ) - 岸くんと付き合うのもみたいです。 (2018年8月17日 6時) (
レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - しかし、この作品に登場する方たちは知らないというね...笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - からだ中の水分全部出すかのように涙流してました。いろんなすれ違いがあってもどかしい、主人公ちゃんの性格もいい影響をもたらしていて、良い構成の作品だと感じました笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
Y__1001kimiko(プロフ) - 後輩平野くんの続き待ってます (2018年5月22日 8時) (レス) id: c74ba2042b (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 毎日の楽しみが一つ終わってしまって残念...！面白いストーリーでした(*´-`)続編もお気に入りして読みます！！ (2018年5月22日 7時) (レス) id: 3f9dc00853 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月6日 11時
