▽３９ ページ39
･
次の日になった。
結局、平野くんはお風呂に入って、廉の服を借りて家に帰っていった。
昨日のことで、またこじらせてしまった気がする。
なんとかしなきゃなんだけど、一向に収集がつかない。
授業はとっくに終わって、みんな帰ってくのに･･
わたしは無気力のまま教室に残っていた。
廉「あれ、ぼっち？」
『うるさ』
学校内で会うことはほとんどないのに、
まさか廉が教室に会いに来るなんて･･
『ねぇ、平野くんは？』
何よりも今、彼のことで頭がいっぱいいっぱい
廉「休み」
『え、休み？！』
いったい何があったんだろう･･
とても心配になってしまった。
『どうしたの？』
廉「完全に昨日の雨が原因やな」
理由を聞けば、風邪をひいたらしい。
『そっか･･大丈夫かな』
ボソリとそう言えば、廉は聞き逃さない。
廉「気になるん？」
『･･まぁ、それなりに』
ていうか廉は何のためにここへ来たのか
『何しに来たの？』
廉は手に持っていた茶封筒をヒラヒラさせた。
廉「姉ちゃんが紫耀に渡してきて」
『はっ？！』
小さな付箋に先生の字で平野紫耀って書いてあった。
『いやいや廉が渡してくればいいじゃんッ廉が頼まれたんでしょ？』
廉「俺ら毎日会ってるし、つか俺が持ってってもアイツ喜ばんから」
ん、と無理やり茶封筒を渡される。
『いや、私が持ってっても喜ぶとは限ん』
廉「限んの！！」
ええ、そう言い切られると困ってしまう。
廉「看病してきてやって、アイツんち共働きで俺らほどやないけど今、家に一人やと思うから」
平野くんのこと、全然知らないな、ってこの時気付いた。
廉に聞けば、平野くんのご両親は夜勤で働いてるため、
平野くんが家に帰る時間にはすれ違いでいない、という事がわかった。
ちゃんとご飯食べたのかな･･
薬は飲んだのかな？
熱は、？ちゃんと寝てる？
気になりだしたら無限ループ。
わたしはコンビニでいろいろ買ってからお見舞いに行くことにした。
廉に渡されたプリント用紙を渡してくる、という理由をつけて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2057人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
平野かな(プロフ) - 岸くんと付き合うのもみたいです。 (2018年8月17日 6時) (
レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - しかし、この作品に登場する方たちは知らないというね...笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - からだ中の水分全部出すかのように涙流してました。いろんなすれ違いがあってもどかしい、主人公ちゃんの性格もいい影響をもたらしていて、良い構成の作品だと感じました笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
Y__1001kimiko(プロフ) - 後輩平野くんの続き待ってます (2018年5月22日 8時) (レス) id: c74ba2042b (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 毎日の楽しみが一つ終わってしまって残念...！面白いストーリーでした(*´-`)続編もお気に入りして読みます！！ (2018年5月22日 7時) (レス) id: 3f9dc00853 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月6日 11時
