【ヒロアカ】先輩はチャラいけど誠実だった【ホークス】 (ページ10)

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8_侵入者発見ページ10

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ちょっとやそっとで捕まるほど隙のある人間を公安には置かない。

先輩はきっと面白半分で、私に個性を使わせたかったのだろう。案の定、使う羽目になってしまったが。

パソコンに触れてデータのハッキングを2秒で終わらせた。

「えーもう終わったのー？」

仕事がはかどれば嬉しいものだと思うのだが、やはりこの人は何を考えているのかよく分からない。

何がそんなに面白くないのか……

『先輩こっち！』

パソコンをいじっている段階で脱出経路のデータを5秒だけ見て全部把握しておいた。

呑気に座ったままのホークス先輩の腕を掴んでその場から退散する。

「なになにー？Aちゃん大胆じゃんっ！どうしちゃったの？キャラ変？」

『ちょっと煩いんで黙っててくださいッ』

遠回りにはなるが確実且つ安全なルートを辿って何とか外へと出てきた。出てきたと言っても屋上なのだが。

『……はぁ、』

護衛はあるにしても、今日はそんなに手の掛からない仕事だった…はず。それもこれも全て護衛のせいでめちゃくちゃだ。

大きな溜め息をついて責めるように彼を睨むが、私のテンションとは反対に先輩はずっとにんまり笑顔。

え、なに？

「これわざと？」

『へ？』

先輩が指を指したのは私の手。

ホークス先輩の腕を掴んだままだったのだ。

『ぎゃーっ！！』

「そんな虫出たみたいな声出さないでよっ。てかAちゃんもそういう声出すんだねっギャップ萌え？…ちょっと違うかっ！」

甘ったるく、口説い言葉をズラズラ並べて喋るから耳が痛い。

「あとは俺の番ねっ。ほら行くよ？」

かと思えば急に切り替える。

そのスピードには一生慣れません。

『……嫌です』

「え？」

先輩が護衛の時の任務には共通点がある。

だから先輩指名なんだけど……

『何で今日の任務、先輩指名か知ってますか？』

「Aちゃんが俺の事好きだから！」

『羽燃やされたいんですか？』

先輩の赤い羽根に向かって拳をひとつ。

痛がっては私を悪者みたいな目で見てくるけど、痛くなかったでしょ絶対、。

「俺にしか出来ない事って言ったら……あっ！」

高層ビルの屋上から無駄に綺麗な夜景を見渡して納得した模様。

「空飛べるから？」

『大正解です。……だから先輩が護衛の任務は嫌なんです』

そう、私は高所恐怖症なのだ。