twin venus_7 ページ7
*Aside
1時間目の授業開始時間が近づくにつれ、登校してくる生徒の数も増えてくる。
気が付くと廊下がやや賑やかになっていた。
『私、職員室に鍵返してくるね』
紫「あっじゃぁ俺も行く!」
『え』
図書室に鍵をかけて職員室に返却しに行くと、その後ろをまたちょこまか追いかけてくる紫耀くん。
朝練をサボっているわけだから、私についてきちゃ不味いんじゃないかな.....
紫「ねぇねぇっ!毎朝図書室にいんの?」
『今日はたまたま...いつもは放課後が多いかな』
紫「へぇ〜じゃぁAちゃんに会いたくなったら図書室行けばいいんだねっ!」
なんか勝手に納得してるみたいだけど、私に会いたくなる時って...なに、?
彼は多分何も考えずにサラッと言っただけなんだろうけど、男の人との会話に慣れてなさすぎて軽く混乱していた。
「あ、紫耀じゃん、おはよう!」
紫「おー!よっ!」
バド部の人達とすれ違っても挨拶だけで終わっている。......ん?サボったのに怒られないのかな、?
頭に疑問符を浮かべて真剣に考え込んでいると、彼に覗き込まれた。
紫「ん、どうしたの?」
『紫耀くんって、皆からビビられてるの?』
紫「...ぷふっ、ふははははははっ!!」
『え、なに?』
真面目に聞いたのに爆笑されて意味がわからない。そしてあまりにも大きく笑うもんだから周りの人達から派手に視線を浴びる。
『ちょっ、紫耀くん笑いすぎだってッやめてよッ、!』
紫「だってっ...!!Aちゃん面白いんだもんっ」
面白いなんて初めて言われたし...というか、面白いとは何なんだろう、。
馬鹿にされているような気がして、気持ちが落ち着かなかった。
紫「1時間目ってなんだっけ」
『数学だよっ』
紫「うわっまじかー...俺苦手なんだよねぇ勉強」
彼とは同じクラスだから、そのまま二人で教室へと戻ってきた。
教室の入口付近には見慣れた幼馴染みの姿。
『あれ、廉?』
端正な顔でスタイルが良いから、もたれ掛かっているだけなのに画になっている。
廉「あ!やっと来たわ」
『え、待ってたの?』
廉「英辞典借りにきてん」
『あー!持ってくるねっ』
自分の机から英辞典を取りに行くと、廉と紫耀くんがそのまま何か喋っている。
あれ、あの二人って仲良いのかな?
辞典を持っていくと廉の顔が少し曇っていた。
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きょん(プロフ) - 廉くん派です。続きが気になります! (2022年10月27日 14時) (レス) @page32 id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年9月8日 22時