二人の女神~sho.ren~ (ページ44)

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twin venus_44 ページ44

＊Aside

『え、こういう掛け方なの？？』

妹「この方がふんわり香るから付けすぎなんなくて良いの！あと首ねっ首うなじ出してっ」

『うん』

__________シュっ！！

『え、ここはガッツリなの？』

妹「大丈夫だよ顔近付けないと分かんないから」

何か企むかのような笑みを浮かべて言われたけど…なに？怖いよ私。

妹「行ってらっしゃ～い！！」

ゲームをしていた廉を玄関まで引きずり出して、そのまま見送られる。

手をブンブン振ってくれる妹の隣で、廉は面倒そうに手をヒラヒラさせていた。

何をどうしたらいいのかソワソワして堪らない。

普段は頼りない妹に縋りたい気持ちで一杯だ。

『あーどうしよどうしよっ、、』

待ち合わせ場所に向かいながらキョロキョロ周りを見渡す。

休日なのもあって人が多ければカップルも多い。

細いピンヒールを履きこなす女性もいたら、コーヒー片手に待っている大人の女性もいる。

『変じゃない…よね？』

ショーガラスに写った自分の姿を見て余計不安になってしまった。

気合い入れすぎとか思われたらどうしよう…

時間を気にしたり、自分の身なりを気にしたり。

行き交う人をキョロキョロ目で追っていたら…

『あれ…ここどこ、？』

見慣れない場所に辿り着き、方向感覚を失ってしまった。

目印を探すが見当たらないし、地図を見ても見方が分からない。

『あれ…あ、10時なっちゃうッ、、』

紫耀くんに連絡しようとスマホばかりに気を取られていて。

人の気配を察知できなかった。

『…へっ？』

スマホの画面から目を離すと目の前には知らない男の人たちが3人立っていて…

「ねぇお姉さん1人？」

『あ、はい。待ち合わせに向かう所なんですけど…』

問われた事に素直に答えたのだが…

「やーっばこの子めちゃくちゃ可愛いじゃん」

「モデルとかしてないの？一般人？」

『へ？あ…はいっただの高校生です。あ、あの…私道に迷っちゃって…ここ行きたいんですけど、分かりますか？』

真面目に道を聞いたつもりが彼らはクスクス笑うと何やらアイコンタクトのようなもので無言の会話をしていて。

「わかるわかる～！俺らそこまで一緒に行ってあげるよ！！」

『ほんとですか！』

急に距離を縮め囲まれたんで不審に思っていると…

腕が容赦なく腰に巻きついてきた。…え、？