twin venus_5 ページ5
*Aside
廉「それ休み時間でも出来るやん」
『今がいいのッ人気のある本はすぐ無くなっちゃうし』
廉「…そうなんや」
普段からあまり表情を変えない廉だけど、心做しか少し…声のトーンが落ちているように感じた。
『あっ、結ちゃんならもう少し掛かると思うよっ、さっき前髪整えてたから!』
廉「そ」
親切に教えてあげてるのに目を合わせず素っ気ない態度…なんなの?
『…じゃぁね』
一応、それだけ言って登校してきたけど、、何を考えているのかよく分からないし…実際問題、廉は心を一切読ませてくれないから苦労する。
−−−ガチャッ。
『…ん?手紙?』
下駄箱の扉を開けると、一通の手紙が入っていた。
結ちゃん宛の手紙が入れ間違いで私の所に入ったのかとも思ったけれど、しっかり私の名前が書かれている。
でもこの2組の人…この前結ちゃんに告白してなかったっけ、?
手紙を手に取り、色々考えながら図書室へ移動する。
『…はぁっ、、』
顔が同じならどっちでもいいって事なのかな、?
双子って珍しいからよく興味持たれがちだけど、、それで傷付くことも多くて、…私はあまり素直に喜べない。
『…はぁっ、、』
もう一度大きな溜め息をついて、本棚から目当ての本を探していると…
本棚と本棚の隙間から可愛らしいクマのぬいぐるみが顔を出していた。
『…か、かわいいっ』
「そんなにため息ついちゃってどうしたんだいっ?」
『へ?』
そのクマは手をひょこひょこさせながら喋り始めた。…どこかで聞いた事のあるハスキーで特徴的な声。
『だ、誰…ですか?』
本棚からチラリと顔を出したのは、、
紫「…へへっ」
『平野くんっ、!?』
今年同じクラスになった平野くん。一年の時も同じクラスだったけどほとんど深い接点はなく…
紫「紫耀でいいよっ。おはようっ」
『あ、うん…おはよう』
こうやって挨拶するくらい。…でも、なんでここにいるのだろう。
『紫耀くんも本借りに来たの?』
紫「俺が本読む人に見える?」
『んー…あんま見えないかも』
「だよな〜当たりっ!」…なんてヘラヘラ笑っている。バド部の朝練をここでサボっているらしい。
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きょん(プロフ) - 廉くん派です。続きが気になります! (2022年10月27日 14時) (レス) @page32 id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年9月8日 22時