二人の女神~sho.ren~ (ページ24)

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twin venus_24 ページ24

＊Aside

週末にあるテストに備えて、答え合わせをしようと丸を付けていた時。

何もやる事がないのか頬ずえをついてずっと私を見ている紫耀くん。

『なんかやりずらいよ…』

紫「んふっ、ごめんごめんっ。でも続けて？」

『えー、？』

集中力が切れて教科書から彼に目を移す。本当に私の事だけずっと見ていた。

紫「Aちゃん最近眼鏡なこと多いね」

『うん、見えずらくて』

紫「コンタクトにしないの？』

『した事ないから怖いんだよね…あっ』

徐ろに伸びてきた手は、そのまま私のメガネを奪っていった。視界がボヤけると同時に目を細めて目の前の彼を伺う。

紫「やっぱり…」

『やっぱりって、？』

紫「メガネ取った方がいいよ。可愛いもん勿体ないよ？」

『可愛いなんてそんな…』

前にも同じような事を言われたけど、同じ双子でも容姿で褒められるのは妹の方。褒められて無さ過ぎて冗談とさえ思えてくる。

紫「俺はAちゃん美人さんだと思ってるよ？一年の時からずっと」

『…初めて言われた』

紫「そ？周りの奴ら見る目ないんだな」

なかなか返してくれない私の眼鏡。

許可もなしにそれを掛けると思いの外度が強かったのか顔を歪めて驚いていた。

紫「え、こんなに強いの掛けてたの？」

『うん…』

紫「じゃぁ普段なんも見えてないんじゃない？」

『割とそう…だから返して…っ！！』

必死に手を伸ばすけど、眼鏡が戻ってくる様子はゼロ。

椅子から立ち上がる音が聞こえたと思えば足音が真横で止まる。

紫「コンタクトにしてみたら？人生変わるよっ…はいっ」

急に視界がクリアになって、目の前に現れた彼との近さに動揺する。

『中学生の時結ちゃんがカラコンしてたから私もコンタクトにしてみようかなって思ってたんだけど…廉にお前はメガネでいいって言われて』

紫「アイツの言うこと真に受けない方がいいよ」

確かに…コンタクトの方がメリットは多そうだ。

あの時何故、眼鏡でいろと言われたのか…今まで気にしていなかったが急に不審に思い始めてしまった。

『結ちゃんに頼んでみようかな…あ』

紫「ん？」

昨日の今日で完全に気まずいのを忘れかけていた。

とてもじゃないけど、すぐに聞ける雰囲気もタイミングもないだろうな、。