二人の女神~sho.ren~ (ページ3)

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twin venus_3 ページ3

＊Aside

廉の部屋に残された私は、リビングに戻る気力を失い掛けていた。…だって、

廉「なぁA」

『ん?』

廉「ネクタイやって」

『え』

結ちゃんがいなくなると、決まって制服のネクタイをむすべとせがんで来る廉。

『もう高校生にもなってまだむすべないのー？』

廉｢むすべるわ」

『じゃあ自分でやりなよ、それか結ちゃんに頼めばいいでしょ？』

廉「毎朝ネクタイやんのだるいやん。てか結、不器用やから出来へんし」

なんだか屁理屈に聞こえてくるけど、いつの間にか自分より身長の伸びてしまった廉に変な感覚が抜けなくて…

『ねぇしゃがんでよ、やりずらい』

違和感を作ったまま。相変わらず綺麗な顔は、ずっと黙ったままにその瞳に私を映す。

『なに』

廉「今度の試合」

『え？』

それはサッカーの事だろう。幼少期からサッカーをやっている廉は、学校の部活でもレギュラーで活躍している。

廉「ほんまに見にこんの？」

『うん、模擬試験あるし』

廉「…そうなんや」

昔だったらそんなのお構い無しに応援しに行ってたのに…な。

"なぁなぁAっ!!"

"ん?"

"大きくなっても俺のサッカー、 1番に応援してな？"

幼馴染みの廉と三人、いつも仲良く一緒だったのに…いつから私達は生きる世界を変えてしまったのだろう。