二人の女神~sho.ren~ (ページ20)

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twin venus_20 ページ20

＊結side

" すごいじゃない！"

__________ 褒められるのは、いつも姉の方。

" ねぇお姉ちゃんってどんな感じの人？ "

__________ 興味を持たれるのも、お姉ちゃんだけ。

" はぁ？アホなん？何考えてるん "

__________ 廉が必死に怒るのも、お姉ちゃんが絡んでる時だけ。

" あと、遅くなる前に帰ってこい "

__________ 廉が好きなのも……

これだから家に帰りたくなくなる……

合コンで皆にチヤホヤされるのは心地良いけど、そんなの所詮傷が癒えたような錯覚を起こしているだけ。

家に帰ってくれば、その傷は抉れるほど深傷へと変わる毎日。

妹「お姉ちゃんに私の気持ちなんて分かんないでしょッ！！偉そうに姉面しないでッ、！！」

廉「その言い方ないやろッ」

なにか不満があるなら言い返せばいいのに、

『大丈夫だよ廉。…ごめんね、私先に寝るね。おやすみ』

お姉ちゃんはそれだけを言うとあとは何も言わず、階段を登っていく。

妹「何で結には平気で怒るの？お姉ちゃんにはそんな強い言い方絶対しないもんッ」

全部…全部が気に入らない。日に日に募るこの感情にどう名前をつけたら気が落ち着くのか。

私はただ…お姉ちゃんが羨ましいだけなのに。なんで、何でなの……

妹「合コンだって私には何も言わないのにッ、お姉ちゃんの時は必死に止めてさッ！！そんなに行かせたくなかった？」

お姉ちゃんが居なくなると余計に態度を悪くする廉。呆れてるんでしょ？…そんなに私は怠い、？

妹「こんなに好きなのに…廉だけなのに、、何でいつも勝てないの？」

いつでもどこでも、姉とは無条件に比べられる事が決まっている。双子で良かった事なんて…一度もない。

妹「双子ならどっちでも良いじゃんッ！！！」

廉「お前は駄々こねて周りに甘えてるだけやろ。Aみたいに努力した事あるか？アイツは周りに好かれて当たり前やろ」

ちょっとくらい、優しくしてくれたって…いいじゃんか。

廉「前に言ったろ、俺が好きなんはAやって」

妹「…最低、ッ」

お姉ちゃんしか褒めないパパもママも、

お姉ちゃんのことしか聞いてこないクラスの奴らもッ、

お姉ちゃんの事しか眼中に無い廉も……

妹「みんな、最低だよッ、！！」

－－－バタンッ。

勢いよく玄関を飛び出し。補導されたばかりなのに、私は再び夜の外に身を戻した。