二人の女神~sho.ren~ (ページ14)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:243,978 hit

twin venus_14 ページ14

＊Aside

その後も紫耀くんは本当に何もせず、ずっと私を観察していた。

紫「Aちゃんってほんと、頭良いよねぇ。一年の時も上位にいたし」

『小さい頃から廉と競争みたいに勉強覚えてきたから』

よくテストの点数で競い合ってたっけ。

紫「いつから一緒なの？」

『小学校に入る前くらいに大阪から隣に越してきて』

紫「あーだからアイツ関西弁なんだっ」

『そうそう！』

紫「…ねぇAちゃんって、アイツのことどう思ってんの？」

『え、アイツって廉、？』

紫「うん」

『どうって…うーん、、』

急に言われると "幼馴染み" というフレーズしか出てこない。

紫「ずーっと一緒にいてさ、好きになんないの？恋愛感情って言うかさ」

『え、恋愛感情？』

紫「好きになってもおかしくないかなーって。実際どうなの？」

『んー好きだけど、別に恋愛感情ではないかな。結ちゃんは恋愛感情あるみたいだけど』

紫「そっか」

『何でそんな事聞くの？』

紫「えーだって気になるじゃんっ」

『何が？』

紫「Aちゃんのそういう恋愛事情っ。あんまイメージないしっ」

私に聞いたって面白い事は何も無いのに。

『別に良いもんじゃないよ、…無知なだけだし私』

紫「経験浅いの？」

『豊富に見える？』

紫「ふふっ、答えさせるの？それ」

『いや、答えないで』

紫「ふはっ！Aちゃんは誠実そうじゃん見るからに」

『奥手なだけだよ』

紫「好きな人いないの？気になる男子とかさ…」

『いないよ。んーでも気になる男子は……あ、』

男子と滅多に喋らない私にとって唯一の相手はまさに目の前にいる人。

紫「ん？だれだれっ教えて！俺の知ってる人？」

変に口を止めたせいで、紫耀くんは身を乗り出すほど興味津々。…これ、言って大丈夫かな？

『紫耀くん、かな』

紫「…え」

ただでさえ静かな図書室は余計に変な静けさを作る。やっぱり私、やらかしたかな？

黙りこくった彼は、両手で顔を覆うとそのまま机に伏せてしまった。

『ああっごめん！！そのっ…変な意味じゃなくて…最近よく話し掛けてくれるからっ誕生日いつなんだろ？とか、好きな食べ物何かな？とかっ純粋に気になる…というかっ、、あの……っ』

完全に地雷を踏んだ…そう思った矢先、

紫「Aちゃんって天然小悪魔、？」

『え』

紫耀くんがこちらをチラッと見ると顔を真っ赤にしていた。