二人の女神~sho.ren~ (ページ10)

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twin venus_10 ページ10

＊Aside

紫耀くんってストレートだなぁ。痛いところを割とそのままついてくる...

でも、そう思いながらも、気付いてくれる人がいなかったから少し心が救われていたり。

紫「誰かに甘えたりとかちゃんとできてる？」

『甘えるなんてそんな…もう高校生だし』

紫「そ？君の妹は甘え上手だけどね」

『へ？...あ、確か二年の時廉と、結ちゃんと同じクラスだったもんね』

道理で話がスムーズな訳だ。

紫「さすが妹って感じ。甘え方知ってるしさ」

『結ちゃんは人付き合い上手だから。私と違って友達多いし、流行とかにも敏感で、お洒落さんだし』

自分で言った癖に、妹との差を改めるとちゃんと傷付いている。

紫「AちゃんにはAちゃんの良さがあるでしょ？」

『そう…かな？』

紫「俺はAちゃんの方が好きだよっ」

『...えッ』

紫「ん？」

『またそんなサラッと...私そういうの免疫ないんだからやめてよ』

紫「ふはっ、ごめんごめん」

紫耀くんって...やっぱり言い慣れてるんだ。こういうの。

準備室へ辿り着き、そのドアノブに手を掛ける。

－－－ガチャッ。

紫「うーわっ埃くさっ！！」

『全然使ってないからね...あっ！このファイルだっ』

棚の一番上にあるファイルへと手を伸ばす。だがなかなか届かなくて背伸びを繰り返していた。

紫「え、ちょ...届く？椅子かなんか使った方が」

『大丈夫！』

指先で器用にファイルを引っ張っていると、途中でバランスを崩して寄ろけてしまった。

『あぁっ！』

ファイルにひかかって他の書類が上から崩れてくる。

紫「危ないッ、！」

慌てて両手で顔を覆うが、書類が降ってくる前にふわりと何かに包まれた。

それが紫耀くんと気付くのにそんな時間はいらなかったけど.....

－－－バサバサバサッ、！！！

私の代わりに紫耀くんの背中へと落ちてきた書類。

紫「大丈夫？」

『へ？あ...う、うん』

それなのに私はどこか気が抜けていた。今、私...紫耀くんに抱きしめられた、？

紫「全然大丈夫じゃなかったじゃん」

『...ごめん』

紫「怪我してたらどうすんのっ」

『ほんとごめんなさい、、』

シンプルに怒られて背中を小さく縮めていると...

紫「頼っていいよ」

『へ？』

紫「俺になら、沢山甘えていいよ」

紫耀くんの言動はいちいち私を悩ますみたい。