cinderella_107 ページ10
･
これ以上、廉くんを怒らせてはいけない。
そう思えば思うほど気持ちが焦って捗らない。
廉「なぁ終わった？」
『うんッ、もう終わる』
やっとの思いで書類を終わらせて、急いでパソコンの電源を落とす。
時計に目を配るともう少しで21時になろうとしていた。
廉「はぁ、」
重い溜め息に嫌という程、機嫌の悪さを感じる。
『あの、...廉くん、本当にごめんね？』
廉「別にもうええよ、お疲れ様」
相手にされないと思っていたのに、こういう時に限って彼の優しいところが見え隠れする。
自分の髪の毛に通る彼の指が心地よくて、久々の感覚。
それに油断していると彼の表情はすぐさま歪んでいった。
廉「なぁ、ネックレスは？」
『え？...あれッ？！、』
廉くんが付き合ってから初めて私にくれた華奢なストーンのネックレス。
毎日身に付けていた分、ない事に急な焦りを覚える。
廉「付けなくなったんや...あん時めっちゃ喜んでくれたん、演技やったん？」
穏やかな気持ちは一気に血の気を引かせて、背中が凍りつく。
『待って廉くん違うのッ、！！』
廉「何が違うんッ？」
−−−ッ...ビクッ。
冷めきった目で話し掛けられると、怒鳴り声じゃなくても体が自然に震えてしまう。
廉「何回嘘つくん？」
『嘘なんかじゃッ...』
廉「あ？」
−−−ッビクッ、
『ッ...ごめ、んッ』
私に出来ることは謝ることだけ。
でも、それで彼が納得してくれるわけがない。
『今日の朝は確かに付いてたのッ...』
廉「落としたって言いたいん？」
『...うん、』
つまりは無くしてしまっまたということだ。
しかも自分よりも先に気付いたのが彼だなんて...負の連鎖だ。
廉「そう言ったら許してもらえるとでも思ってるん？」
『思ってないよッわざわざそんな回りくどい事しないよッ、本当だってッ、...信じてよ.....』
無力な私が何度言葉を発しても、彼に届いているのか分からない。
廉「...なんで？」
『え？』
廉「俺はAの事幸せにしてあげたくてこんな毎日必死なんにッ、めっちゃいっぱい考えてんのに、...なんでAは俺を幸せにしてくれへんのッ？」
その目はいつも私を怒鳴る不機嫌な目ではなかった。
柄にもなく泣かないでよ、。
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lemon09(プロフ) - 続編楽しみにしてます...！ (2020年11月7日 3時) (
レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 完結おめでとうございます！お腹の子はどうなったのか、岸くんとのその後など、とても続編作って欲しいです(*^ω^*) (2020年5月24日 7時) (レス) id: 2ec07d2c53 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 完結おめでとうございます！！楽しかったです、ありがとうございました。廉くんがどうなったのか、直接じゃないけど書かれてて…切ないですね…また最初から読み返します！！muheさんの作品大好きです。 (2020年5月11日 20時) (レス) id: 91234daa41 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます！岸くんのところに戻れてよかった！お腹の子はれんくんの子ですか、、？このあとがどうなるか気になります(>_<)続編読みたいです！ (2020年5月11日 20時) (レス) id: 0a93db3cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - とっても面白かったです！サナトリウムに入った廉くん気になります、、続篇読みたいです！ (2020年5月11日 18時) (レス) id: e113544416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月23日 0時
