cinderella_100 ページ3
･
私がいつも朝食に食べているこだわりのフレンチトースト、。
そんな当たり前の朝食も特別な朝のひと時も、優雅な暮らしに馴染めなくなっていた。
それはきっと、岸くんを知りすぎたからなのだろう。
ナイフを持つ手がなかなかすすまないとメイドに心配をされてしまう。
「A様...どうかなされましたか？」
『寝起きなだけっ...大丈夫だよ』
そうは言ったけど全く喉を通らない。
それでも本来の自分に嘘をついて、無理矢理にでもそれを口に運ぶ。
恋しいんだ...岸くんの作る素っ気ない胡麻塩のおにぎりが、。
愛おしいんだ...岸くんが愛情を込めてくれる手作り弁当が。
切ないんだ...岸くんがいないと、もう、コンビニの肉まんを食べれないから。
美味しければ良い訳じゃない。
質が良ければ良い訳でもない、。
やっぱり...自分に嘘はつけなかった。
−−−チャリンっ。
皿の上に置いたフォークはらしくもなく大きく響いてしまった。
それと同時に周りの異様な視線...
『...もういい』
残すなんて、お父さんが見たら何を言うんだろう。
いつもなら変に気にする私も、
自由を奪われた今じゃもうなんでも良かった。
『ご馳走様、』
その場から立ち上がり、自分の部屋に戻ろうとすれば
「A様」
メイドが電話の受話器を手に目の前に現れた。
「お父様からです」
もうそれだけで自分にとっていい知らせではない事は何となく気付いていた。
『...ありがとう』
何を言われるのだろう...そんな無意味な足掻きが続く。
『お電話代わりました...』
父「あぁ、A、朝からすまんなっ」
『大丈夫だけど...どうしたの？』
父「今日の夜、会いに行くから準備しときなさい」
『...え？』
父「なんだ、聞いとらんのか？」
頭には疑問符しか浮かばない、。
今日は外に出るな、と廉くんに言われてるだけだった。
『え、なに？』
父「今日は廉くんのご両親も含めて食事会だ」
『初めて知りました...』
父「その後、籍を入れるから」
『...えッ？』
いま、.....なん、て？
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lemon09(プロフ) - 続編楽しみにしてます...！ (2020年11月7日 3時) (
レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 完結おめでとうございます！お腹の子はどうなったのか、岸くんとのその後など、とても続編作って欲しいです(*^ω^*) (2020年5月24日 7時) (レス) id: 2ec07d2c53 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 完結おめでとうございます！！楽しかったです、ありがとうございました。廉くんがどうなったのか、直接じゃないけど書かれてて…切ないですね…また最初から読み返します！！muheさんの作品大好きです。 (2020年5月11日 20時) (レス) id: 91234daa41 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 完結おめでとうございます！岸くんのところに戻れてよかった！お腹の子はれんくんの子ですか、、？このあとがどうなるか気になります(>_<)続編読みたいです！ (2020年5月11日 20時) (レス) id: 0a93db3cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - とっても面白かったです！サナトリウムに入った廉くん気になります、、続篇読みたいです！ (2020年5月11日 18時) (レス) id: e113544416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月23日 0時
