Vanilla_17 ページ17
＊あなたサイド
ガンガンと頭を殴ってくる体内の防御反応にイラつきながらも瞼を開ける。
見慣れた天井に再び慣れた思考回路。
昨日は自分の足で帰ってこれたんだ...
そう思ったもつかの間、
『ん？』
隣に感じる空間に違和感を覚えて周りを見渡す。
人の居た温もりに一瞬カイちゃんかとも思ったが、彼は今、日本にいない。
だとするならばと推測する必要もなく、
嗅覚で感じ取った、アルコールに混じるオシャレな香水。
その特徴的なものはどこでも感じれる訳ではない。
あのバーでしか、あの人でしか、そう思った時、私は確信に迫ってしまった。
昨日着ていたはずの服は綺麗に脱ぎ散らかされている。
自分が着ていたのは下着だけ。
地雷を踏んでしまったかとようやく状況を理解すると共に、血の気が引いて気持ち悪い。
これはきっと二日酔いではないだろう。
タンスの中から適当にとったカイちゃんのスウェットを羽織って足を進める。
すると、
−−−ガラガラッ。
脱衣所から出てきたそのシルエットに頭を抱えた。
廉「あ、やっと起きたんや」
廉くんはシャワーを浴びたのか濡れた髪の毛で目の前に現れた。
その姿はバーでお酒を作るいつもの彼と綺麗に結びつく。
どうしたらいいのか初めてのトラブルに頭が追いつかない。
暫し、静止したままの私に不審に思ったのか彼は顔をしかめた。
廉「Aさん大丈夫？酒残っとる？」
" 酒 " というキーワードを出されるとまるで自分の失態を遠回しに責められてるような気がしてならない。
いても立ってもいられなくなった私は、床に足を付けて視線を低くした。
『あのッ本っ当にごめんなさいッ！！！』
深々と下げた頭に降ってきた反応は、
廉「はぁ、」
そんな重ったるい溜め息だけ。
いい歳して本当に嫌になる。
歳下の男の子に持ち帰られた挙句、土下座をする始末なんて。
ああ最悪だ。
もうバーには行けないだろうな...なんて冷静な頭で先を考えたも束の間、
廉「めちゃくちゃ謝ってくるんやろうなって予想はできてたんで、もういいっす」
『え』
その「もういいっす」はどう捉えれば正解なの？
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ゆー - 前から見させて頂いていて、今回の小説も面白いです！更新楽しみにしております。 (2020年2月12日 1時) (
レス) id: 7ed49a0414 (このIDを非表示/違反報告)
白米王女(プロフ) - もしよければ続きで裏出して欲しいです… (2020年1月14日 22時) (レス) id: 771a82acdb (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月22日 20時
