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*Aside
『そ、それは自分が一番分かって…』
松「分かってねぇだろ絶対」
そういうと机の上から何かを手にした松田くん。
その顔はいつにも増して不機嫌そうで。
松「んだよ。この薬」
『…』
エプロンのポケットに入れていた錠剤である。
きっと倒れた弾みか運ぶ時にでもその存在が顕になったのだろう。
松「大丈夫な奴が飲む薬じゃねぇだろこれ。」
ぽん、と私が寝ている布団の上に軽く投げられた。
松「どんだけの人に迷惑掛けたと思ってんだ」
『ご…ごめん、』
松「飛んだ悲劇のヒロインだな。マジでやばい薬だったりして」
『…は?』
彼なりの、冗談というか…場をを和ますつもりだったのだろうけど、この時の私は正常じゃなかった。
オブラートに包めない彼のズケズケとした言葉は、今に始まった訳じゃないのに…時としてかなり棘が刺さる。
『それが言いたくて目が覚めるの待ってたの?』
松「あ゛?」
直ぐに眉間に皺を寄せるし、相変わらず態度も悪い。
いつもと何ら変わりのない彼の姿なはずなのに、、なんかこう…気に触ってムカムカした。
『別に松田くんには関係ないじゃんッ頼んでないし…世話焼かないでよッ』
松「はッ、どの口が言ってんだ?」
彼が言おうとしていることは分かる。いつも世話を焼いてるのは私の方だ。
言い返されたのが気に食わなくてムキになる。
『もういいから帰りなよッ放っといてッ』
一人にされたくないのに、彼を時間の拘束から解放してあげたい気持ちと、、見透かされてるようで焦る気持ちが交差して、、かなり失礼な態度になってしまった。
そのまま布団を頭まで被って彼を遮断する。
松「あぁッそうかよッ目が覚めた時に一人じゃお前ぇ、やべぇかなと思って居てやったのに、その態度なら帰させてもらうわ」
呆れてしまったのかそれだけ言い放つと
−−−ガチャ…バンッ、!!!
大きな足音を残して、ドアを乱暴に閉めていった松田くん。
彼は誰にだってこういう態度をするのは分かっているのに…分かっているのに……酷く傷付いてるのは何故だろう……。
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初子(プロフ) - お久しぶりです!面白いので続きがとても気になっています! (2022年6月6日 22時) (レス) id: edceae0036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年5月22日 19時