【名探偵コナン】警察学校の問題児くん【松田陣平】 (ページ25)

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＊Aside

あれはそう…金曜日の放課後だった。

親は仕事が忙しくていつもお手伝いさんと食事をしていた私だけど、その日は数ヶ月ぶりに両親と食事が出来る事あって軽い足取りに帰宅途中。

とても、特別な日だったのだ。

胸が高鳴りもする…大切な日。今じゃその"特別"も意味を変えてしまったが。

それを細かく気にしていると本当に気が参る。

真っ暗闇に拘束されて、何日も監禁されて…出来ることなら今すぐにでも忘れ去りたいのに、、あの日の事を鮮明に覚えたままの自分におかしくなりそうだ。

現に今も、トラウマは拭えぬまま、暗闇で発作が起きてしまう。

私はもう…あの日の事を無かったことにしたいのに。犯人なんて居ない…ただの幻にして片付けたいのに。

両親がいない現実と、素性を隠している事。ここで身を隠している事などが重なって、いつも悲しいだけの現実へとズリズリ引き戻される。

それは、酷く私を苦しませる……残酷な現実と記憶。

悪夢とか、トラウマと言う言葉で簡単に片付けてしまえるものの、それに毎日首を絞められていた。

今もこうやって嫌な夢を見ている。…何度目だろう。苦しくて息もできない。

必死に逃げても藻掻いても、迫ってくるのは不気味なマスクで顔を隠した……ッ、、

『………ﾊｧッ、！！！？！？！！』

ついに呼吸が出来なくなり、息苦しさで目を覚ます。

…最悪な目覚めだ。それと同時に現状把握に頭が落ち着かない。

『え、っと……、、』

真っ白な空間に、清潔感のある匂い。自分はベッドに寝ているのだろうか。……あとひとつ、、

松「やっと起きたかよ、眠り姫」

『え…マツダ、くん…、？』

足を大きく組んだ彼が、不服そうに……何故か私と手を繋いでいた。