【名探偵コナン】警察学校の問題児くん【松田陣平】 (ページ2)

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第1章 _1 ページ2

＊Aside

今日も空は快晴。

朝にとても相応しい澄んだ空気に深く息を吸う。

「Aちゃんおはよぉー！！」

『おはようございます！』

数年前からここ、警察学校の食堂で、生徒のご飯を作っては寮を借りて住み込みで働いているのだけれど…

萩「陣平ちゃんそのくらいにしときなよ。色男が台無しじゃねぇか…」   

諸「ほらゼロも、そろそろやばいって」

傷だらけの二人を宥める声に、頬が緩んでしまった。
…ほんと、ヤンチャなんだから。

伊「おうAおはようさん！」

『おはようっ！その二人また喧嘩したの？』

諸「そうなんだよ。ほんと懲りないよねぇ」

呆れ気味の諸伏くんだけど、隣に座って黙々とご飯を食べている降谷くんに優しく微笑む姿がまるで親のようだった。

なんだかその仲がとても羨ましく感じたのだ。

『降谷くん成績トップだからあまり問題起こすと、ほんと変に目付けられるよ？気を付けてね？』

降「ありがとうAちゃん。僕は大丈夫だよ」

痛そうな頬の傷に照れて笑う彼は真面目で素直。

問題はその反対席に座っている彼である。

松「…けっ！！パツキン野郎の心配は一丁前なのなッ」

ご飯を食べていた松田くんが背を向けたまま私にそんな事をボヤいてくる。

『あのー…松田くん…』

松「んあ？」

萩「そんな頭ごなしに睨まなくても…」

向かいの席で一緒に食べていた萩原くんが呆れたように笑っている。

ほんと、降谷くんとは正反対な性格をしている彼。

教官たちが頭を抱えている一番の問題児というのも、ちょっと同情してしまうのはここだけの話。

『頬から血出てるよ？』

松「こんなのほっときゃ治る」

『いや絶対駄目でしょ！！ほら、絆創膏あげるから』

エプロンのポケットから絆創膏を取り出すが、君はあからさまに面倒くさそうな顔をした。

すぐ顔に出すんだから。

松「んなの要らねぇって」

『駄目。貼りなよ』

降谷くんは意地を張らずに貼ってるのに…性格出てるなぁ。

何が何でも受け取ってくれない彼。

黙って私が傷を隠すように絆創膏を貼った。

松「おいッ、！何しやがる！！！｣

『1週間以内に傷治んなかったら松田くんのご飯抜きにするからね』

松「ハァッ？？！」

『自分の体もっと大事にしなよ…ほんと、将来が心配…』

撃たれても血だらけで歩いてそうだもの。