Glass Flower ~Yuta.Kishi~

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目の前にいるのに全然満たされたい。






安心してたはずなのに、穏やかな気持ちに包まれてたはずなのに、、






そう思ってしまうのは、






きっと彼の幸せをこの短時間で沢山感じすぎたからだろう。






いつだって離れていきそうな彼の存在が嫌で嫌で仕方ない。






自分が持っている微かな力で彼の袖をギュッと掴む。






岸「どうした？」






私の顔色を見てすぐ心配しては色々と考えてくれる君。





それも分かってる。






全部全部、世の中の流れを理解して受け入れたつもり。






でもやっぱり、、素直に大人しくなんてなれないの。






しつこくもがいて、生き続けていたいんだよ。







でもそれが無理って言われたら、、







とことん愛を形にしたくなるんだよ？








『優太』






岸「うん、なに？」






たっくさん困らせたい。





いつも私で悩んで欲しいんだ。






だから意地悪しちゃうし、構って欲しくって･･いっぱい甘えたくなっちゃうの。







『優太から全然愛を感じない』






ねぇ、分かってるよね？







愛を感じないなんて嘘だよ？







沢山感じてるし幸せだよ、？






でもね？






もっと、この儚い愛を育みたいの、。







どんなに疎くても、読み取ってくれるよね？







岸「･･そういうの、めちゃくちゃ困るんだけど」






頭を掻きながら一生懸命考えてくれる君。






だからもっと愛して欲しくなっちゃうの。







岸「俺だって全然Aから愛感じてねぇよ、」







私に被せてくれる君だけど、優しい腕で包み込んではあやす様に何度も頭を撫でてくれる。







ずっとずっと、優太を感じていたい。






そう思うのも自然なことでしょ？






優太の優しさに落ち着きを取り戻し、一旦冷静になろう、と。





自分から離れようとしたのに、、






『ゆう、た？』






優太は力を増して私を離してくれなかった。






だから必死に優太の気持ちに答えたくなるんだよ？






ほら、遠慮気味な彼に私だって一生懸命答えを探す。






岸「ごめん、A」





『え？』






やっと離れたと思ったら一定の距離を保ったまま･･なのに目を合わせてくれない。





『なに？』






岸「あの、さ･･」





『うん』





先が読めないから怖くて恐る恐る聞けば






岸「･･･抱いてもい？」




『えっ』






初めてなんだよ、そんな直接的な言葉。

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