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ゴソゴソとポケットに手を突っ込んだ彼は、
岸「ん」
私が持っているものと全く同じリングを取り出した。
ちゃんと持っている事に安心するけど、今の今までどこで眠っていたのか・・
『どこにしまってたの?』
岸「実家にあった・・事故があった日の物は全部家族が保管しててくれたから」
大事そうにそれを見ては口角が緩んでいて・・
『ねぇ、幸せ?』
そう聞けば、、
岸「逆にAは幸せじゃないの?」
妥当な答えが返ってきた。
『もっと幸せになるんだもんっ』
私も自分のそれを見ながら彼に伝える。
すると彼は満足そうに私を見ていて・・
岸「欲しがりだなぁっ、俺もだけど」
そうやって私を温かく包み込んでくれた。
『ねぇ、付けて?』
自分のリングを彼に差し出せば彼は直ぐに受け取ってくれた。
次にすぐ左手を差し出せば、彼の長くて綺麗な指がするりと私と交わって・・
薬指に通る感覚を静かに噛み締める、。
優太は私の手を離さずずっと大事そうに持っていて・・
岸「もう、外すなよ?」
『え?』
優太の薬指にも輝くそれを見て実感する。
岸「俺たち、ちゃんと夫婦になるんだから」
『・・うんっ』
何が嬉しいってそれを放置しないとこ。
優太が鞄から取り出したのは華やかなパンフレットと婚姻届、。
そう、婚約はそのまま、
ウェディングドレスだって試着しただけ、、
式も打ち合わせも一旦中止になったし、で。
過程に過ぎなかった私たちの記憶はひとつも成し遂げていなかったのだ。
岸「大丈夫っ」
なんでかな、?
根拠もないし、
優太の口から出る「大丈夫」なんてそんな期待もしてないのに、、
岸「ちゃんとドレス着させてあげるから!!」
それが嬉しくて、切なかった。
『うんっ、絶対着る・・優太が選んでくれたの着て、、ちゃんと結婚式するッ』
でも辛いなら辛いなりに、自分に見あった幸福を探してしまう。
それは長く続くものじゃなくて全然いいから、、
岸「俺、タキシード似合うかな?」
あなたと共にする一瞬の幸せを、永遠と記憶に残したい。
それが今の私に出来る、精一杯の我が儘だ。
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林檎(プロフ) - ドラマみたいで感動しました。映像化してほしいです (2023年4月13日 18時) (レス) id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
まい - 涙が止まらなかったです。。。岸くんと華ちゃんが幸せになりますよーにと願ってしまいます。。。他の作品も拝見させて頂きましたがmuheさんの書く岸くんが素敵過ぎて岸くんにどハマり気味です 笑 (2023年1月4日 21時) (レス) @page49 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - ほんとに1人号泣しました。岸くんだからこの役合ってるなって思いますありがとうございます!!こんな素敵なお話を!とても切なくて悲しい話ですが (2020年5月19日 22時) (レス) id: 9698ee50ef (このIDを非表示/違反報告)
moca - 素敵な作品ありがとうございます。何度読んでも涙が止まらず、私が読んできた作品の中で1番に大好きな作品です。こんなに作品で泣いたのは初めてです!素晴らしい作品を書いて下さり、ありがとうございました! (2020年4月5日 21時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 岸くんの素敵な人柄がそのままに出ている作品で、お話の内容も、本当に素敵で、読んでいて涙が止まりませんでした。今まで読んできた作品で1番感動しました。その作品を書いてくれて、本当にありがとうございます! (2020年4月3日 15時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年10月11日 19時