Glass Flower ~Yuta.Kishi~

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優太の顔が久しぶりだった訳じゃない。






なんなら見慣れた、そんな落ち着きを取り戻したいのに･･







紫「俺帰るよ･･二人で話な」







紫耀が気を利かせて帰ってくれた。






交代して目の前には優太がいるけど、、






それはもう、昨日の岸くんではなくて







岸「今日はずっといるよ」







ずっと私が待っていた、求めていた優太なのだ、。







これもまた夢なんじゃないかって、、






体が弱っていくことを受け止めれば、幸せな事にも素直になれない。






ずっとずっとこの日を待ってたはずなのに






いざ彼を目の前にすると･･







岸「ん？･･どうした？」







何故か情緒は不安定のまま。







手で触れればいつでも届くのに、






でも気が付くとその存在は幻覚に過ぎなくて、、どんどん面影が遠のいていく。








だけど、その原因なんて自分が嫌という程に分かっていて･･







ただ、シンプルに。







壊れるのが怖いんだ、。







優太と一緒にいたい、という気持ちが強ければ強いほど、、






運命という意地悪なものに勝てない、。







だから、嬉しいのに、･･辛いんだ。






やっぱり人は貪欲な生き物だ。






幸せを感じれば次の幸せを探す、。






いつだって永遠の愛を求めてしまうのだ。







『･･いつまで一緒にいれるかな、？』







柄にもなくそんな事を口にする。







安心する言葉なんて所詮言葉だけに過ぎないのだ。







もっと･･何か落ち着けて確実なものが欲しい、。







そんな私は逃げてるのか、甘えてるのか･･どっちにしても少しは大目に見てやってほしい。







もう充分、頑張ってるつもりなのだ。







だけど、優太は柔らかい表情のままに







岸「Aが思った分だけいてやるよっ？」







そう言った。







紫耀だったら、そんな事言うなよって怒るだろうに･･






そんな彼独特の感覚が私をもっと考えさせるのだ。







岸「まぁ、お前がもういいって言っても俺はずっと縋るけどなっ」








へへっと笑ってみせた優太はやっぱり優太なのだ。






それに凄く安心してしまって･･･






私はベッドから引き出しに手を伸ばした。






小さな箱に閉まっていたそれを取り出せばやっとこの日が来たのかと･･






『ねぇ優太、結婚指輪なくしてないよね？』





それは優太に貰った世界にたった1つしかない幸せのリング。

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