幼なじみ_9 ページ9
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まだまだ夏らしい暑さ・・と思いきや、
サーッと肌に触れる風は冷たくて。
廉「もう秋やな」
昼休みにみんなで喋っていると、夏の最後を悟らせる。
夏の思い出って何かあったっけ、?
思えばこれ、と言ったものが見当たらない。
玄「ねぇ今度の日曜日バーベキューしようよっ!!」
紫「おっいいじゃん!!」
玄樹くんの提案にみんな大賛成、。
そっか、毎日バカみたいに悪ふざけしてるからそういう気になってたけど、、
今年の夏はみんなでどこにも行ってなかったんだ。
そう思うと優太との思い出も少なくて・・
海「花火したいなぁ〜!!」
神「みんなで買い物行く?」
一人一人がそうやってボヤくなか、優太は黙って聞いてるだけで・・
『ねぇ』
岸「あ、・・ん?」
『楽しみじゃないの?』
岸「え?」
嘘が下手な彼はすぐに目を泳がす。
私に隠し通せるとでも思ってるのか、本当に馬鹿だ。
岸「いや、・・なんつーか、、」
言いずらそうなのは顔を見て分かる。
だけどそれを言葉にしないと言うのは、、きっと彼なりの気遣いとか私情が絡んでいるのだろう。
だから言わせたくても無理なわけで・・
そっとしといた方が良いかな、と思ったのに
岸「その日・・俺、無理だわ」
そんな事言われたら私の楽しみは一気に砕け散る。
紫「えっ、なんで?」
何となく予想はしてた。
だって毎年そうだもん。
岸「うん、一年ぶりに家族全員揃うから」
それを言われたらしょうがない、としか言い様がない。
だからそれぞれが残念そうな顔をする。
でも一番残念そうなのは優太で、、
岸「まっ、俺抜きで楽しんでよ!!」
優太抜きでどうやって楽しめと、?
こっちの気持ちも知らずと本当に酷い男。
一人で音にもならない溜め息をひとつつけば隣で廉が私の肩をポンポンたたく。
チラッと横目にそいつを見れば
廉「どんまい」
私にしか聞こえない声でそうやって慰めの言葉を言った。
自分にも慰めの言葉を言い聞かせるけど、どうも気持ちが立ち直らない、というか・・乗り気じゃない。
廉「お前は強制参加やからな?」
『はっなんで?』
優太が苦しそうに見てたのも知らず。
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涼杜兄妹(プロフ) - まっすぐすぎる岸くんの言葉が素敵でした!!一生って言い切る岸くんカッコ良すぎます!muheさんの作品だいすきです!これからも応援しています♪ (2020年11月4日 18時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
あお - インスタもフォローさせて頂いてます!お話の続きすごく楽しみにしてました!廉くんの屋上の去り方が、切なすぎるけどかっこよくて胸がギュッと締め付けられながら、泣いて読んでしまいました。体調にはお気をつけてください。またお話読めるの楽しみしてます! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 3b6d47bc82 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - とても素敵なお話ですね!面白いです!続きがすごく気になります!更新楽しみに待ってます!! (2020年4月22日 23時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
めい - とても面白いです!続きがすごく気になります更新頑張ってください (2020年4月15日 22時) (レス) id: f4173813d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 更新ありがとうございます!待ってました!また続きが気になります! (2020年4月9日 17時) (レス) id: d8f95672aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年9月29日 0時