幼なじみ_2 ページ2
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優太の朝ごはんは大体私のお母さんが作ったおにぎりで始まる。
制服に着替えた彼にいつも通りそれを渡す。
岸「さんきゅっ!!」
ラップを剥がしてがぶりつくから冷蔵庫からお茶を出す。
『ねぇ食べる時くらい座りなよ』
鞄の中に教科書を入れながら食べている優太に指摘する。
すると、それに気付いたのか一度おにぎりをテーブルに置いた彼。
岸「わりいわりぃ!!」
素直に従うところが本当に柔軟だと思う。
次第にダイニングテーブルに横向きに腰掛けてそれを再び頬張る優太。
制服の着こなしがめちゃくちゃだから言わずともネクタイを直してあげる。
岸「なぁ」
『ん?』
おにぎりを食べながら上目遣いの彼は口元にご飯粒を付けたままだった。
岸「お前、最近可愛くなった?」
『はッ?』
何を言い出すのかと思ったらそんな突拍子もないこと。
そういうの意識せずともサラッと言っちゃうけど
岸「あっ好きな人でも出来た?」
完全に無意識、。
全然こちらの気持ちに気付きもしないで言ってくるから腹が立つのだ。
『いると思う?』
少しムキになって聞いてみる。
なんて答えるんだろう、と思えば
岸「え、いんの?」
結構真剣な顔して聞いてくるから私はすぐに勘違いしちゃうのだ。
『・・さぁ、どうだろね』
疎い彼に意地悪してみたくってそうやって言葉を濁す。
おにぎりを食べ終えた君は少し寂しそうな表情を浮かべていて・・
岸「男できても俺のこと構えよ?」
ラップをクシャクシャにしたり広げたり、、
そんな意味の無いことを繰り返して言ってきた。
なんか答えるのが恥ずかしくて無言のまま小さく頷く。
優太はどこか遠慮気味の笑顔を見せてその場を立ち上がった。
岸「やべっほら行くぞ!!」
時計を見ればなかなかいい時間。
優太と一緒に玄関を出れば彼は家の奥から自転車を取りに行く。
毎日当たり前のことだけど、、
これもいつか出来なくなる日が来てしまうのだろうか・・
岸「何ボケーっとしてんだよ!!ほら乗れって」
優太は私が後ろに乗るのを待っている。
だから大人しく荷台に腰掛けたんだけど
この誰よりも落ち着く彼の匂いが時々私を苦しくされるのだ。
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涼杜兄妹(プロフ) - まっすぐすぎる岸くんの言葉が素敵でした!!一生って言い切る岸くんカッコ良すぎます!muheさんの作品だいすきです!これからも応援しています♪ (2020年11月4日 18時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
あお - インスタもフォローさせて頂いてます!お話の続きすごく楽しみにしてました!廉くんの屋上の去り方が、切なすぎるけどかっこよくて胸がギュッと締め付けられながら、泣いて読んでしまいました。体調にはお気をつけてください。またお話読めるの楽しみしてます! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 3b6d47bc82 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - とても素敵なお話ですね!面白いです!続きがすごく気になります!更新楽しみに待ってます!! (2020年4月22日 23時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
めい - とても面白いです!続きがすごく気になります更新頑張ってください (2020年4月15日 22時) (レス) id: f4173813d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 更新ありがとうございます!待ってました!また続きが気になります! (2020年4月9日 17時) (レス) id: d8f95672aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年9月29日 0時