雨男センパイ ~Yuta.Kishi~

rainyboy_9 ページ9

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『ずっとっていうか、まぁ家が隣なんでっ』







廉が「まだ？」とか「早よ！！」とか言うからそれに蓋をするように私はスマホを持ち直した。






岸先輩の声が全然聞こえてこないなぁと、







『あのっ･･先輩？』






不安になって呼びかければ







岸「･･あぁッ、ごめんごめんっ･･じゃぁプリントよろしくね」






なんか、本当に声色ひとつで違和感っていうか。






私は重症なのかもしれない。







だけど、そんなの先輩らしくないから




嫌でも気になってしまうわけで、。







そうっとしておこうなんて大人な考えは、私にはなかった。







『先輩、なんかありました？』








思った事を素直に言ってみる。







だけど先輩は、







岸「ん？なんもないよっ、」







分かりやすいっていうか･･







強がった彼に少し悲しくなる。







所詮、私は部活の後輩に過ぎない。








それ以上の親しい仲にはやっぱりなれないのだろうか。







たったそれだけの事なのに、心にモヤッとつっかえた。







『そう、ですか』






岸「うん、･･じゃぁまた明日ね？」








話す事なんてないし、





ただただぎこちないだけなのに






欲を言えばまだ喋ってたいなって、そんな我が儘を素直に言えるはずもなく、









『はい、･･おやすみ、なさい』








なんで、わざわざ電話してきたんだろう･･








プリントなんて明日の部活で聞けばいいのに






メッセージ送ってくれれば答えたのに、







急用じゃないのに、なんで電話だったんだろう。








特に深い意味はないかもしれない。








だけど一人で深く考えてしまうのだ。








岸「ゲームばっかしてないで早く寝ろよ！」






『･･はい』






岸「うんっ、おやすみ」









私の声を待つことなく、それはプチンと切れてしまった。








名残惜しさが私を苦しめる。








言いたいことだけ言って、一方的に切られた感じだ。








また明日になればいつものように顔を合わせるのに、







通話表示がなくなったスマホ画面を見て胸がギュッ締めつけを増す。








元カノの事･･聞いてみれば良かったかな、？









廉「なぁっAっ！！早よやるで」







待ちくたびれたのか少しのイライラを表に出した廉。







既にゲームはいつでも始められる状態だった。









『･･ごめん、今日はもう寝る』

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