雨男センパイ ~Yuta.Kishi~

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「じゃぁ5分後にスタートな？」







先頭で行ってしまった部員達を見送りながら冷静に考える。






割り箸を私たちに渡す時点で絶対気付いてたよね？







同じ数字をわざと引かせたの？







とても悪意を感じた。







岸「ああッこれガチで呪われたりとかしない？」







さっきからずっとこの調子の岸先輩。






ビビりなのかな？






まぁ、ちょっとした事でもすぐにリアクションをとるような人だから






何も意外だとは思わないけど。







岸「なぁマジどうすんのッ？今日金縛りとかあったら！！」







隣でずっと喋っている岸先輩。








廉「もう先輩ちょっとうるさいです」







廉が呆れたのか岸先輩に物申す。






本当は自分だってビビリなくせに。







けど岸先輩の焦りというか、それはおさまらなくて








岸「いやだって喋ってないとどうにかなりそうじゃんッ」






乗り気ではなかったが、そんな彼を見てちょっと面白いかも、と感じ始めた。






『岸先輩、真ん中にします？私端っこでいいですよ』





岸「え」







あと数分で私たちの番。







移動して岸先輩を真ん中にしてあげようとしたのだが







廉「お前ほんま分かっとらんな」






『なにが？』







廉に首元を鷲掴みされて真ん中に戻された。






廉「それやからいつになっても彼氏できひんねん」







何が何だか分からない状態で都合のいいような言い方をされたからカチンと来てしまった。







『いやッ関係なくない？』






廉「関係あんねん、ほら懐中電灯つけろや！！」







揉めているうちに時間が来てしまった。






後ろの部員達に別れを告げて歩き出す。







･･なのに両サイドの足の進みがとても遅い。







岸「これマジで何もないよねッ？」







早く歩きたいんだけど、、左側は最初からずっとこの調子。







『ちょッ廉暑いからくっつかないでよ！！』







そして右側は遠慮することなく私にベッタリ引っ付いている。






スタート地点から結構歩いてきただろうか。







静けさがまして夜風の音がとても雰囲気を作っていた。






･･そのとき






−−−−サササッ、、





木の影から物音がして





岸「うおおぉぉおおお！？」





それにいち早く反応したのは岸先輩。





あまりにも早すぎて何に驚いてるのか分からないのだが、






驚いた時の反射で、私の服をギュッと握られていた。

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