雨男センパイ ~Yuta.Kishi~

rainyboy_19 ページ19

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二人でグラウンドに戻れば





「大丈夫でしたか？」





駆け寄って心配してくれる後輩達。





やっぱり岸先輩を見てると自然と後輩も染まるのかなぁ、なんて温かい気持ちになっていた。





なのに、






廉「ぷはッ、なんやそれッ！！」






それが廉の第一声。






幼馴染みってだけでこんなにも差が出てしまうものなのだろうか。





少し溜め息が出てしまう。







『ねぇ廉、大丈夫だった？の一言くらいないわけ？』






廉を目の前に腕を組むと






廉「いやだって冷えピタ貼ってんねんもんっ！！」







廉はひたすら私を馬鹿にしてきた。





時計はちょうど練習をやめる時間になっていて、部員達は個々でストレッチを始めているのだが･･






−−−−カシャッ。





スマホのシャッター音にイライラが止まらない。





『ねぇ撮らなくていいから早くストレッチしてよッ！！』






廉からスマホを取り上げようとしたけど、長身のそいつに勝てるわけもなく。





ひょいっと簡単にかわされてしまった。







そこまで特別身長が低いわけではないのだが、






ぴょんぴょん飛び跳ねて意地でもスマホを取り上げようと必死になっていた。







『うわぁあッ！？』






だが、足のバランスを崩して転けそうになる。







廉「だっさッ！！！」






それもまた小馬鹿にケタケタと笑われてしまった。






だからテーピングしている足をいつの日かのように再び蹴ろうとしたのだが、、






岸「おいっ」





ストレッチを終えてボールを拾っていた岸先輩が私たちに声を掛けてきて･･





岸「イチャイチャすんなら部活終わってからにして」





笑顔の消えた岸先輩は少し声が低くて、





ふざけていた私達が余りにもガキみたいで幻滅したのだろうか。






『す、すみませんッ』






怒ってるかな、と怖くなってすぐに謝ったんだけど






岸「普通、謝るのって廉じゃね？」






ここまで冷たい先輩は初めて見るから、周りの部員も少しぎこちなく探っていて･･






廉「マネージャーとイチャイチャしてすみませんでしたー」






気持ちのこもってない棒読み。







廉はストレッチを行わずに片付けに向かった。





だから怪我を繰り返すのに、。ほんと学習能力がない。






･･ていうか、まだ部活が終わってないのにスマホ取り出した事を謝るでしょ、普通。







なにマネージャーとイチャイチャって、、そこなの？

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