cinderellaboy_8 ページ8
･
もう一度岸くんに別れを告げて、私は街中のベンチにポツンと座った。
一人になると急に訪れる、この寂しさが邪魔くさい。
無理だと分かってて好きになってしまったんだから、責めるんだったら自分自身。
変な溜め息と同時に、私はスマホを取り出した。
『もしもし』
廉「終わったん？」
『うん』
電話を掛けるとすぐに出てくれる。
いつもは電源を切ってるくせにおかしな話だ。
それから待つことたった数分、廉くんはすぐに来てくれた。
遠くからだんだん鮮明になるそのシルエットはとてもスタイルがいい。
品があって、いかにも王子様って感じだ。
さっきぶりの彼は制服のまま、何一つ変わっていなくて、、
目の前までやって来た彼に、一応の言葉を言う。
『廉くん、ありがと』
だけど、君は渋い顔をした。
廉「こういう時だけ俺のこと使うねんな」
『廉くんだと、お父さん怒らないから』
廉「･･やろうな」
門限はとっくのとうに過ぎていた。
連絡すれば必ず付き添いの執事を付けられるし、
どこに行ってるかなんて嘘をついたとしても、恐らくGPSとかいろんな手を使われたら終わる。
婚約者である廉くんに迎えに来てもらうのが一番安全な方法だった。
廉「今日はどこで何してたん？」
お願いした身であるから、まさか答えないわけにもいかなくて･･
『コンビニで肉まん食べた』
廉「へー」
自分から聞いてきたくせに、全く興味のない素振り。
じゃぁ聞かないでよ、とつい言いたくなってしまうほどだった。
『廉くんは何してたの？』
廉「俺？」
歩道の端っこでタクシーを止めてくれた彼にそう問う。
お願いをされた時点で、私の迎えが門限を過ぎるって事は分かっていたはずだ。
廉くんの家は門限もないし、まず出張でほとんど親が家にいないから、何も言われないんだろうけど
待たせていた事に少しだけの申し訳なさはあった。
だけど、
廉「可愛い女の子に逆ナンされてた」
『えッ』
そんな軽はずみな答えはよく返ってくること。
だけど、いつになっても理解できない。
それが顔全面に出ていたのか、廉くんは面白がるように笑い出した。
廉「まぁ、断ったけどなっ？」
断るも何も、逆ナンが事実である事に驚いた。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
