cinderellaboy_48 ページ48
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重いドレスを手で持ち上げて、廊下を、階段を、全速力で走る。
会いたい･･ただそれだけ。
内定をもらった彼に最初になんて言葉をかけよう･･こんな事で悩める自分にやっと本当の幸せを感じ始めている。
長く続く階段を、ヒール靴で降りていると
−−−−グラッ。
踏み外して派手にバランスを崩した。
そのまま地面まで落ちていく。
『いった、ッ』
こんな時に、とことんついてない･･そう思った。
脱げてしまったヒールを見れば、踵の部分が綺麗に折れていて、
『ッ･･もう、っ』
上手く動けない格好のせいでなかなか気持ちと比例しない。
渦巻く感情を抑えながらゆっくり立ち上がると
岸「式から抜け出すとか韓国ドラマかよ」
テラスはとても広くて声が響く。
その声は確かに私の耳に入ってきた。
決して空耳なんかじゃない。
首を沢山動かして、彼の姿を探していると
−−−−−ギュッ。
岸「ここだって」
君は後ろから腕を伸ばして私を強く抱きしめた。
声が、感覚が、全てが懐かしい。
ずっとずっと触れていたかったその温もりに、もう涙は止まらなかった。
『岸、くんッ』
今までの耐えてきた長い時間をちゃんと埋めるように、君は私を抱きしめ直す。
岸「俺思ったんだ」
『ッ、へ、？』
泣き顔がブサイクなものになっているかも･･そう思いながらも振り向いて彼を見た。
岸「カラオケもバッティングセンターもまだ行けてねぇし、あっ、ラーメン食いたいって言ってただろ？」
それを確かめるように、君は私を頷かせた。
岸「Aの知らない世界は俺が教える。周りになんて言われても、俺はちゃんとお前を守り続けるから」
スッと離れた岸くんの手は私を正面に向かせた。
静かに噛み締めるように、それを受け止めてはボロボロと化粧を落とす私の涙。
岸「だから、いっぱい待たせたけど･･、俺の傍にずっといて下さい」
ずっと望んでた。
最後の希望は私を強く、自分らしくしてくれる。
『はいッ、！！！』
考える暇もなく、即答すれば君はフニャッと笑って私をもう一度抱きしめる。
それが離れた時、私達はどちらともなくゆっくりとお互いの唇に触れて
すぐに離れれば恥ずかしくて照れ笑いをした。
シンデレラボーイ 〜Yuta.Kishi〜 【Fin】
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
