cinderellaboy_47 ページ47
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結局、納得のいく答えが出ないまま、
結婚式は当日を迎えた。
白いドレスに身を包み、髪の毛を綺麗にまとめてもらう。
待機室で一人、スマホの中に沢山しまった岸くんとの思い出に浸った。
世間知らずの私に、いつも自然体で接してくれた岸くん。
それが嬉しくて楽しくて、気が付いたら好きになっていたんだ。
廉「A、入るで」
ドアを開けた廉くんは白いタキシードを着ていて・・
彼はどんな服を着たって、
自分を上手く見せれる、そんな天性ものなんだろうと思う。
廉「めっちゃ綺麗やで」
『ありがとう、』
上手く口角が上がらないから嘘がつけない。
彼は椅子に座る私を後から包み込むと
廉「ほんま好き・・ずっとこれからも。やから幸せになってな?」
『え、?』
幸せになろう、じゃなくてなってと言った君は
ポケットで音を奏でるスマホを取り出し、電話に出た。
廉「もしもし・・大丈夫やった?、おん、そっか。ほな早よ連れてきてくれ。おん・・頼んだで」
誰と話をしていたのか、全く中身が読めない会話が私の脳内をかき乱す。
廉「岸くん、内定決まったって」
『えっ』
なんで彼がそんな事を知っているのか。
聞けば電話の相手は廉くんの執事だったらしい。
廉「俺が大手企業に入れるように誘導した」
ポケットにスマホをしまった廉くんは、私に背を向けておおきく背伸びをする。
誘導って、何をどうしたのだろうか。
大手企業なんて、大学を出ていないと通用しないような世の中だ。
不審に思っていると
廉「勘違いすんなよ?俺は機会を作っただけで内定貰えたんは岸くんの実力やから」
そう彼が助言するけど、全く先が読めてこない。
廉「本物の王子様に会いに行ったら?」
『・・っ、何でそんなこと』
廉「ほんまはそれを望んでたんやろ?」
力なく笑った彼はまた私に背を向ける。
小刻みに震えているから、変に声を掛けられなかった。
岸くんが内定を貰ったのはちゃんとキャリアアップできる部署。
これなら親は口出しする事も無くなるだろう。
まだ戸惑いが拭えず、迷っていると
廉「はよ行けってッ、」
廉くんの鼻声混じりな声は、私を確かに勇気づけた。
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まなみ - muheさん!この作品もめっちゃよきです!本当に好きです!!岸くん可愛い、かっこよすぎです...。これからも頑張ってください!応援してますっ! (2019年12月23日 19時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です!悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます(*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした!とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです!最後の廉君が男らしくてかっこよかったです!主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください!面白かったです! (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした!! (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年7月29日 19時