cinderellaboy_41 ページ41
＊岸side＊
生活の中で変わった事は沢山あった。
お父さんが転職して、俺のバイトは3つに増えた。
弁当を作る暇も体力もなくて、今じゃ大きめのおにぎり2つが俺の昼食。
あいつが喜んで食べてくれるから、使い古したフライパンで毎朝卵焼きを作ってたのに･･
今じゃもう、誰かのために弁当を作るなんて事はない。
毎日を繰り返せば、生活の流れが変わったってそりゃ慣れてくる。
けど、俺にはどうしても慣れないことが二つあって････
屋上にいても、一向にやって来る気配のないそいつ。
あと、
「妊娠？」
放課後になり、
ある事ない事が自由に行き交った、無責任すぎる噂。
女子の高めな声はよく俺の耳に届いた。
「でもさ、あの二人家柄的に就職する必要ないじゃん？卒業したらすぐ結婚するんだし、もうそういう事してるでしょ」
アイツの父親は大手企業の社長。
結婚したら跡継ぎ息子を求めるのは、嫌という程気付いていた。
俺、馬鹿かよ･･
聞いてもいい話じゃないって分かってて何で盗み聞きしてしまったんだか。
それから逃げるように、俺は廊下へと出てきた。
無数に並ぶ教室はもう人がいなくて空っぽ。
だけど、
岸「･･ッ」
綺麗に並ぶ机に一つだけ、人影が浮いていた。
それはベッタリと顔も体も伏せていたが
誰かなんて言われなくても見慣れた姿な訳で、。
静かに様子を伺えば全く動かないそいつ。
まさか、寝てんのか？･･とそいつの意識がないのをいい事に近くまで歩み寄ってしまった。
机に伏せるそいつの体からチラッと見えたのはウエディングドレスのカタログ。
Aの頬にはまだ乾ききっていない涙が付いていた。
････何でかな。
結婚ってめでたいことじゃねぇの？
ウエディングドレスって、
女の人なら誰もが憧れるんじゃねぇのかよ、。
婚約指輪って、
貰ったらめちゃくちゃ嬉しいもんなんでしょ？
なのになんでッ･･
何でAは、そんな苦しそうなんだよッ、。
居ても経ってもいれず、俺はそいつの頬についた涙を、いつの日かのように拭っていた。
すると教室の外から人影を感じて･･
「あのっ、岸くん･･ちょっと話たいんだけど」
そこには同じクラスの女の子がいた。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
