cinderellaboy_18 ページ18
･
廉「その辺にしてあげてください」
ずっと黙っていた廉くんが喋り出した。
親達の視線は私から彼へと変わる。
廉くんは親に対して敬語を使うんだ･･って。
ちょっとその距離感が切なく感じた。
廉「困ってるじゃないですか。恥ずかしいし言いづらいですよ」
彼がそう言えば、廉くんのお父さんは「すまないっすまないっ」と笑っていた。
それに愛想笑いで返し、私は静かに肩を撫で下ろしてはホッと息を漏す。
それからというもの、横で親の話に耳を傾けていれば、、
式はいつ、どこで挙げるか、とか
子供は跡継ぎを考えて息子がいい、とか
私達が決めることをどんどん決めていく。
こんな空気の中でこんな国産の高級料理を食べたって何も美味しくない。
いつの日か放課後のコンビニで、岸くんと半分こした肉まんの方がずっとずっと私を満たしてくれたと思う。
ボヤーっと一点を見つめていると･･
廉「ゴホンッゴホンッ、」
不自然にも廉くんが咳払いをした。
何かと思って前に顔を上げれば、口パクで" 早く食べろ "と言われた。
口を付けた食べ物を残してしまってはここを退散したくても無理な話だ。
私は止めていた手を動かし残り僅かのお肉を平らげた。
親達の会話のタイミングを見計らって、廉くんが切り出してくれる。
廉「僕達、2人で話がしたいので部屋に退散しても宜しいでしょうか？」
良くもまぁ、そんな巧みにスラスラと上品な言葉遣いができる。
お父さんから許可を貰い、私たちはその場を後にする事にした。
長い廊下を歩くスピードはお互い自然にも早くなっていて、、
本当にお似合いな2人だわぁ、なんて聞こえてくるお母さんの声からも逃げるように
私たちは部屋の中へと避難してきた。
ドアを閉めて一つの空間にバリアを張る。
廉「あああ゛ッマジ疲れたわ」
肩をぐるぐる回している彼にとても同情の気持ちだ。
廉「つーか良い所の1つくらい言えやッめっちゃ腹立ってんけど」
ぐーっと大きく背伸びをした彼は私のベッドに横たわった。
あれ、デジャブだろうか。
『だからッそれ私のベッド』
そう言うも彼は黙ってこっちを見ていた。
『あ、･･ありがとう』
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
