シンデレラボーイ ~Yuta.Kishi~

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それが余りにも可笑しくてしょうがない。





『あれ、照れてんの？』





髪の毛をハーフアップにまとめ、バレッタを付けながら彼の反応を伺った。





すると動揺してるのか急に手振りが増えた彼、。






廉「アホちゃう？っ、照れるわけないやんッ」






いつもより断然早口にそう言えば全く説得力はない。





廉くんって意外とウブなところがあるんだなぁーって、




毎日、嫌々顔を合わせていても、未だに全部を知れていなかった。





小さな引き出しから真珠のネックレスを取りだし、首に付ける。





するとそれを見ていた彼は、






廉「付けたるわ」







首の後ろでチェーンを重ねていると、私からそれを取り





廉「ほいっ」





一瞬で付けてくれた。




ドレッサーの鏡に映る彼を見ながら考える。






いつもと服装が違うせいか、今日はひとつひとつの行動が紳士に見えるのだ。






廉「なに？」




『いや、』






メイド達が準備ができたと呼びに来ると






廉「行こか」






彼は私の前を歩く、。






婚約者、と分かっていても、やっぱり頭の中はフワフワしていて一向に着地しない。






長く赤いじゅうたんの上を歩きながら、彼はボソッと小さな声でボヤいた、。






廉「大丈夫やって、俺もこういう堅苦しいん嫌いやから」





なんかあったら助けたるわ、とだけ言われて返事をする間もなく




目の前には自分と廉くんの両親、。






ピリッとする空気感とこの慣れない違和感が余計私を緊張させた。





隣には自分の親、向かいに廉くんが座り、食事をしながら会話が始まった。






ほとんど親同士の会話に過ぎないが･･





「Aちゃん」



『え、あっはい！！』





廉くんのお父さんに急に名指しされ、一気に背筋が伸びる。




「今日は誕生日おめでとう」




『ありがとうございますっ、』




「Aちゃんは廉のどういう所が好きかな？」




『えぇ、っ』






チラリ、と廉くんを見れば出されたステーキを無言で食べていた。




なんかあったら助けるって言ったくせにッ、、





なんだか裏切られた感じになりながらも必死にいい所を探した。





いや、決して廉くんにいい所がない訳じゃないが、





好んで一緒にいる訳では無いため、人よりも長所を見つけるのに時間が掛かってしまうのだ。





『えっと、ですね』





大人達の視線が凄く圧を感じる。





頭の中で言葉を絞っていると･･･

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