cinderellaboy_22 ページ22
･
『大事な物なのッ･･ねぇッ返してッ』
目を逸らす彼に念を押して言い続けたけど、
−−−−ドサッ
それは無理だったらしい。
ソファに押し倒され、身動きの取れない私の上に彼が跨っていた。
彼に押さえつけられた肩の入り口がジンジンと嫌な痛みを覚える。
だけど、彼の手は震えていた。
廉「いい加減にしてくれへん？」
『え、』
廉くんは怒りというよりも、悲しみに近い表情をしていて････
いっその事、冷たくしてくれれば私だって諦めがついたかもしれないのに。
そんな中途半端にいろんな情が混ざるから、人ってとても厄介だと思った。
彼の目は何一つ混じり気のない真剣そのもので、
それはただただ私を困惑させた。
廉「お前は俺と結婚すんねんッ、そう決まってんねんッ！！」
ギュッと肩を掴まれて、気付けば胸の中まで嫌な痛みが増していた。
それは私だって分かっている。
嫌になるほど理解していた、。
何度、現実と向き合おうと努力した事か･･でも、やっぱり無理だったんだ。
何度も何度も試みたけど、開き直るなんてできなかった。
理解なんてして貰えなくてもいい、ちょっとでも知ってもらえれば。
そう思って廉くんにこの気持ちを明かそうとしたのだが、
余りにもしんどそうな表情にタイミングは今じゃない、と察した。
廉「そろそろ現実見てくれへんと、俺も親にチクるで」
最初は迎えにだってすんなりと来てくれていた彼、。
そんな脅し文句、今までに言われた事はなかった。
･･本気、なのだろうか。
それはどういう心境なのか。
問い質して全部言わせればいい物を、人情が邪魔をしてなかなか言い出せなかった。
結局、そのネックレスは廉くんから返して貰うことが出来ず、そのまま日をまたぎ平日がやってきた。
そしてその日は、朝から私の心を曇らせた。
岸「ほんっとごめんッ」
『え？』
朝刊のバイトをしている岸くんが朝に私を呼び出すなんて今までに一度もなくて、
すぐにいい知らせじゃないって、私は勘が働いた。
岸「俺知らなかったんだよ」
『･･何を？』
分かってる癖に聞いてしまう。
とてもめんどくさい女だ、。
岸「････永瀬と婚約してること」
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
