cinderellaboy_14 ページ14
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誰もいない中庭のベンチにポツンと2つのシルエット。
今さら人の目を気にしても・・なんて、私の脳内はめちゃくちゃだった。
岸「なんかあったの?」
『え』
遠慮気味にも、気になった事はちゃんと聞いてくれる。
そんな彼の正直な所と優しい所が何よりも好きだった。
岸「急に来ないからさ・・心配したよ、?」
私は彼の目からひたすら逃げてるのに、負けじと諦めずに私を伺ってくれる岸くん。
ズバズバ言うんじゃなくて、一個一個を落ち着いたリズムで置いてく君は、、
・・・・廉くんとは正反対だった。
『うん、・・ちょっとね』
駄目だ・・これ以上夢に浸っていたら、、
そう思ってはいてもやっぱり彼の優しさに頼ってしまう。
岸「そっ、か・・言いたくねぇならいいけど、俺、いつでも話聞くよ?」
そうやって沢山の選択肢を与えてくれる君。
もう、駄目なんだ。
込み上げてきたそれが何かはもう分かっていた。
だけど、それを直接岸くんには見せたくなくて・・
−−−−グッ、。
私は隠すように、岸くんの肩に自分の顔を押し付けた。
岸「っ・・A?」
少し困惑している岸くん。
困らせてばっかだ。
『ごめん・・今は言いたくない。、だけど・・・・隣にいて欲しいっ、』
彼の肩は私の涙でとっくに濡れていただろう。
それには岸くんも既に気付いていたみたいで、、
岸「お前っ明日、目腫れんぞ?」
ケタっといつもの様に笑ってみせると、
自分の頭にふんわりと優しく落ち着く感覚がしたのだ。
岸「よしよし、いい子いい子っ」
彼はまるで子供をあやすように、私の頭をゆっくり何度も撫でてくれた。
触れているだけで幸せを感じる。
彼の声を聞けば、不安は少しずつ癒えていく。
同じ空間にいれるだけで、私は充分だった。
廉くんの上品な香水の匂いよりも、
岸くんの柔軟剤混じりな匂いの方がやっぱり私を遥かに落ち着かせてくれた。
岸「落ち着いた?」
『・・うん』
ゆっくり彼の肩から自分の顔を離せば、君は少し困った顔をしていた。
普段は見せないその顔にやっぱり私が彼を振り回していると気付く。
思いかけず、またボロっと涙が頬を伝えば
岸「お前どんだけ泣くんだよっ!!」
彼は自分の親指でそれを拭ってくれた。
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まなみ - muheさん!この作品もめっちゃよきです!本当に好きです!!岸くん可愛い、かっこよすぎです...。これからも頑張ってください!応援してますっ! (2019年12月23日 19時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です!悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます(*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした!とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです!最後の廉君が男らしくてかっこよかったです!主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください!面白かったです! (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした!! (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年7月29日 19時