ペアルック ~Ren.Nagase~

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あれは私たちがまだ8歳のときの記憶･･･







『れんって男なのに私よりもちっちゃいっ！！』





廉「うっさいわあほ！！お前がでかいんやろ？」








体の弱かった私たち。







小児科病棟で知り合った君は･･






私と全く同じところに、大きな傷をつけていた。








スマホにずっと保存している一枚の写真を見て懐かしく思う。







『懐かしいな、･･あれからもう10年経ってるんだ』







病院の大きなベッドに小さい男の子と女の子が2人で仲良くくっついてピースをしている写真。







だけど、それは元気な子供たちと言うにはなかなかなもので･･







パジャマ姿で点滴をずっとしているからか






それが自分たちなのに少し可哀想に思えた。









廉「何見てるん？」








後ろからスマホの画面を覗いてくる廉はすっかり私の身長をこして･･









廉「うーっわ懐かし！！」









制服姿がどうも様になる青年にまで成長していた。









『覚えてる？』







廉「うん、Aに裏切られた」









主治医の先生が大阪の病院に移るとともに廉は中学生の時に引っ越してって







そして高校生最後の年である今現在、








元いた病院に主治医の先生とともに戻ってきた。









『あれはさぁ！！しょうがなかったじゃん』







廉「しょうがなくないやんッ！、完全に俺のこと騙したやん！！」









さっきから廉が私にキツく怒鳴っているのは遥か昔の懐かしい記憶のこと、。







針が大嫌いだった廉は、もちろん点滴を嫌がるわけで･･








「れんくーん、これしないと元気になれないよ」






廉「嫌やっ絶対せぇへんからな！！」








廉は病棟内を逃げ回っていた。








そこでずっと一緒にいる私に、看護師さんは頼んできたのだった。








テーブルの下に潜った廉に遠くから話しかける。









『看護師さんが今日は点滴しなくていいって！！』






廉「ほんま？」








だけど、それは嘘なわけで･･







『うんっ！だから出てきなよ！一緒に遊ぼ？』







安心しきって出てきた廉は、簡単に捕まった。









廉「Aのアホ！！馬鹿ッ！！裏切り者っ！！」








半泣きで散々わたしに暴言をはく癖に･･







廉「嫌やッ･･Aっ！！」







針を刺される時はずっと私が隣にいないと怒っていた。







私の袖をギュッと握って･･どうも頼りのない君だった。

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