ペアルック ~Ren.Nagase~

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空港に無事に着いたのはいいけど







『広すぎて訳わかんないっ』







海外旅行なんてそんなしょっちゅう行くわけないし、






国際空港の便なんてどれがどれだか見つければ見つけただけ混乱を招く。








キョロキョロしながらそれでも廉の姿がないか一生懸命探していると







−−−グイッ、！！








『うわぁああ！？』








誰かに腕を強くて引っ張られた。








話の通じない外国人が沢山いる中で、こんな広い所に一人でいるのはやっぱり無理があっただろうか。








ちょっと怯えてたんだけど








私が顔を上げる前にその人は喋りだした。









「可愛えお嬢ちゃんやなぁ〜こんな所に一人でおったら襲われるで？」







『･･え？』









一瞬ガチでヤバいやつだと思ったんだけど、








聞き慣れた声に関西弁で一気に安心してしまった。









すぐさま顔をあげれば･･









廉「ただいまっ」






『廉っ』









待っていた彼だった。








廉「ほんまにナンパされんで？お前黙っとけば顔ええから」






『は？』








久しぶりの再会で全くロマンもムードもない。







この男は本当になんなんだろうか。








好き放題言う君だから呆れてたけど･･









廉「･･ほんま、安心できんから」







廉に手を握られた。








『え？』






廉「決めてん！お前の事ずっとそばに置いとくって･･誰かに取られるん、嫌やし」








最後の方、そっぽを向いた君はちょっと照れくさかったのか。







それだけでも気持ちは充分に伝わってきた。








『待ってたよ？廉･･だけど』






廉「ん？」








私はまだそれを聞いてない。






だから、誤魔化さないで欲しいんだ。






照れ隠しなんて、今の私には通用しないから。









『ちゃんと言ってほしいっ』








すると君は渋い顔をして見せた。








廉「A、好きやで」







『うんっ、私も好きっ』









ちゃんとちゃんと、今度こそ、







お互いの気持ちは伝わったんだろうか。








廉が急に私のお腹に手を回すから何事かと思ったら








廉「よいしょっ」






『ちょ･･はぁ？下ろしてよッ』








廉は私を抱っこしたまま、好き勝手揺れている。









ほんと、君は私を振り回すのが得意なんだから。









ペアルック 〜Ren.Nagase〜 【Fin】

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