暁のヨナ緋龍王と四龍に愛されし舞姫続 (ページ4)

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四十九の舞ページ4

ユキ｢ところでハク兄｣

ユキがさっきまで漂わせていた空気をどこにやったのか何事も無かったように聞いてきた。

ハク｢おお…どうした｣

ユキ｢昼間、ヨナ姫達が意味深な目線でハク兄を見てたけど。何かあったの？｣

ハク｢ああ、実は……｣

俺は一緒に役人を蹴った奴と風俗に行ったことを話した。話を進める事にユキの顔が引きつっていくのが分かった。

ユキ｢は、ハク兄もそんな時があるのね…｣

ハク｢いや、だからな｣

ユキ｢ハク兄と出会ってかなり経つけどハク兄でもそういう時が…そうか…｣

ハク｢おい、だから話を｣

ユキ｢んん…そうか…ハク兄でも…｣

ダメだ。ユキはもう聞く耳を持っていない。俺は説得することをもう諦めた。

ハク｢…はぁ、もういい｣

今何言ってもこいつ聞かねぇな。そう思って何も言わずただ海を見つめていた。だが直ぐに笑い声が聞こえた。

ユキ｢ふふっ冗談よ、ハク兄。その蹴った人がそこに連れていったんでしょ。風牙の都にアヤメみたいな綺麗な娘いたのに振り向きもしなかったハク兄だもの。今更女性に興味持つなんて思ってないわ｣

海を見つめながらユキは呟く。

……俺が好きなのはお前だよ、ユキ

と言ってやろうか。くそっ鈍感なヤツめ。今ここで押し倒してやろうか。

と考えていたら急に悪寒が襲ってきた。それに気付いたのか顔を近づけてくる。

ユキ｢ハク兄？どうしたの？具合でも悪いの？｣

ハク｢いや、何でもない｣

ユキ｢ホントに？白龍と青龍に会うまでずっと1人でヨナ姫を守ってたんでしょ？疲れ溜まってるんじゃない？｣

ハク｢いや、本当に何でもない｣

しかしユキは引き下がることなくさっきより顔を近づけ俺の額に手を当て熱を測り始める。

……こいつの顔、近くで見たの初めてかもしれねぇ…

そう考えるとどんどん顔が赤くなるのを感じた。

ユキ｢うーん、熱はないみたいだけど…ハク兄顔赤いよ？本当に大丈夫？｣

お前のせいだ、バカ野郎。

ハク｢だ、大丈夫だ。じゃあな、俺はもう寝る｣

俺は慌てて立ち上がり、その場を後にする。

くそっ。無防備な奴っ。こっちの理性がどうにかなっちまう。

いつか、俺の気持ちをユキに伝える事が出来るのかと本気で考え、今夜寝ることができなかった。

【ハクside end】